東方双子録その2
その2
基本的に夜更かしをしない幻想郷の人々は朝が早い。
夜は日が落ちれば、特に理由も無い限りは寝る。
そしてまた日が昇れば、雀の声を目覚まし代わりに起きる生活を送っていた。
人が置き忘れた、自然に合わせて生きると言うサイクルが回っている。
博麗神社の素敵な巫女である、博麗霊夢も例外ではなかった。
「……うっ、うぅ~ん」
結局同じ布団で寝てしまった双子の寝顔を見て、寝ていればそこそこ可愛いかもしれないと思ってしまう。
昨日の晩は質素極まりない食事をしてしまったので、自分が誰かを養うのは金銭的な意味で不可能だと改めて悟った。
しかし助けた手前、このまま放逐するのは少しばかり気分が悪い。
「……仕方が無い、慧音の所に預けるしかないか」
預け先の目安を付けた後、双子が目覚めない内に朝食を作りに台所へ向かう。
うっすらと包丁の音が寝室に流れてくる頃には、朝日の眩しさも手伝って未だ眠っていた弟が目を覚ました。
「んぁっ、……んん~」
一瞬、自分が寝ている場所が何処か分からず混乱したものの、若さのお陰で自分の置かれた状況を再認識する。
顔を横に向けると、霊夢の残り香がする布団で涎を垂らして寝ていた兄を起こしにかかった。
「お兄ちゃん、朝だよ!」
「んぉ!?」
「起きてぇ」
「ん、ふぁ~……、ふぅ」
身体を大きく揺さぶられた兄は直ぐに覚醒をするが、起きたと言っても客人の扱いを受けているので、特にやらなければいけない事もなかった。
現代の便利な生活を送っていた所為で幻想郷の住人が、ほぼ例外無くしなければならない朝の作業は分からない。
とりあえずボーっとするだけであったが、布団の気持ち悪さに眉を顰める。
「……布団が気持ち悪い」
「あぁ……、拭いただけじゃダメだったな」
「干した方が良いんじゃないかな?」
「そうだな、ちょっと霊夢お姉ちゃんに聞いてくるよ」
「うん」
弟を残し、一人包丁の音が聞こえる方向へ向かった。
大した距離を歩かずとも、直ぐに霊夢の姿を発見する。
個性的な巫女服に身を包んだ上に、割烹着を着て朝食の準備を進めていた。
「霊夢お姉ちゃん、布団が濡れてるけど何処に干したら良いかな?」
「……裏の、日が好く当たる所に物干し台があるから、そこに干しといて」
「は~い」
昨晩、散々犯したお陰か、尻が揺れていても興奮はしない。
しかも、夜遅くまで激しい動きをした所為で、眠りが深かったにも拘らず疲労が少しだけ残っている。
悪戯心も沸かない兄は、布団を干す為に弟の所へ戻った。
「お~い、裏に干す所があるってよ」
「分かったぁ」
水分を含んだ布団は双子が運ぶには重く、結局は霊夢の手を借りる羽目になってしまった。
そして食卓で待っていたのは、例によって質素極まりない食事。
「…………」
「……何よ」
「少ないね……」
「文句あるの?」
「在りません」
少ない食事を済ませた双子は境内へ連れ出された。
しかし、歩き出そうとした時に、霊夢は立ち止まって考え込み始める。
「……どうしたの?」
「……いえ、どうやって連れて行こうかなと」
「遠いの?」
「えぇ、歩いて行ったら1日ぐらい掛かるかも?」
「飛んで行けば良いんじゃない?」
「あんた達は飛べないでしょ、私も流石に2人は抱えられないし」
「うぅ~ん」
どう移動しようかと思案をしている3人に、空から突然声を掛けられた。
「おぉ、どうしたんだ?」
「あら、魔理沙、良い所に」
「あん?」
降り立ったのは霧雨魔理沙。
霊夢のライバル的なポジションに居る、普通の魔法使いである。
「霊夢お姉ちゃん、この人誰?」
「この黒いのは霧雨魔理沙、窃盗犯よ」
「えっ!?」
「おいおい、初対面の人間が居るんだから信じたらどうするんだ?」
「あぁ、パチュリーの所へ押し入ってるから、強盗犯ね」
「アレは死ぬまで借りているだけなんだぜ」
「え~っと……」
双子は、どこか棘があっても険悪な雰囲気ではない応酬に困惑を浮かべる。
「まっ、良い所に来たのには変わりないわね」
「だから、何なんだぜ?」
言葉を交わしている時も興味ありげに双子の事を見ていた魔理沙は、幻想郷では珍しい服を着ている事に気が付いた。
近付いて服の端を摘んで手触りを確かめた後、霊夢へ顔を向ける。
「おっ、今回の外来人は巫女直々に攫って来たのか?」
「誰がそんな面倒をするのよ」
「知ってるぜ」
「例によって迷い込んだのよ」
「予想は付いてるぜ」
「私の所じゃ面倒は見れないから、慧音の所へ押し付けようと思ってね」
「私を足にしようって所か」
「そうよ」
「まぁ、暇だから来たんだし、送るぐらいはしてやるぜ」
殆ど双子の意見を聞かなかった霊夢は、弟に背を向けて屈む。
「ほら、背中に乗りなさい」
「あっ、うん」
「じゃぁ、お前は私の箒に乗れよ」
「は~い」
2人とも背中から腕を回すが、その場所は当然の様に胸へ向かう。
霊夢に背負われた弟は肩の上から巫女服の襟を通り越てサラシに巻かれた胸を掴み、兄は魔理沙の箒に跨って黒い服の脇から手を差し込んで胸を揉んだ。
「んっ、しっかり捕まってなさいよ」
「はぁ~い!」
「お前も、ちゃんと捕まってろよ」
「分かってる」
体を襲う浮遊感に自然と手に力を込めてしまう。
揉まれている方は痛みを感じて、少し身体を強張らせながら注意してくる。
「ちょっと痛いぞ」
「ご、ごめん」
「あんたも捕まるの良いけど、もう少し力を緩めなさい」
「御免なさい」
言われた通りに、今度は優しく手を動かす。
兄は魔理沙の白い服越しに、霊夢と同じ大きさと感じる胸を揉んでいると、ある事に気が付いた。
「……魔理沙お姉ちゃんはブラジャーとか付けてないの?」
「……何だそれは?」
「おっぱいを支える下着だよ?」
「ん~……、知らないな」
ブラを付けていない胸は、兄の手によって愛撫を続けられて乳首も立ってくる。
ブラウスは薄い素材で体温も柔らかさも、直接触っているかのような感触だった。
少し押さえ付ける程度に力を入れて、上から胸の形に添って手を下ろしていく。
指の谷間に乳首を弾かれた魔理沙は声を詰まらせた。
「ふっ、ん」
朝起きてから暫く経って性欲も回復の兆しを見せている兄は、大きくなりつつある陰茎を尻に擦り付ける。
今度は胸を下から持ち上げ、指を広げて揉み込む。
風になびく髪の合間から見える魔理沙の耳は徐々に赤みを増していった。
弟も昨日の鬱憤を晴らすかの如く、霊夢の胸を揉んでいく。
好き勝手に動く手の所為で綺麗に巻かれていたサラシが少し解け、刺激で立っていた乳首だけが顔を出した。
「んっ」
服の中とは言え、外では露天風呂でしか出さない箇所を出して心細さに声を漏らす。
背負われている状態の弟は、兄同様に固くなった陰茎を霊夢の腰へ押し付けていた。
肩甲骨辺りに顔を埋めて匂いを思い切り嗅ぎながら、ぐりぐりと動かすだけで快感を得られる。
そんな悪戯の域を若干超えた行為に晒されている霊夢と魔理沙は、身体の異変を認識出来ずに飛行を続けていった。
暫く飛んでいると、ようやく目的地である寺子屋に到着する。
「さっ、着いたわよ」
「は~い」
乳首を弄ばれて身体をピンク色に染めた霊夢と魔理沙が降り立つ。
名残惜しいと思いながらも、胸から手を離した双子は寺子屋の門を見上げた。
元居た世界の巨大な校舎を思い浮かべていた兄は、素直な感想を述べる。
「……思ったより、小さいね」
「おっ、そうなのか? ……え~と、兄か弟かのどっちか」
「……俺は兄の方だよ、弟はあっち」
「……うん、分からん!」
「まぁ、双子だからね」
一卵性の双子に見分けは付かなかった魔理沙を置いて、さっさと中へ入って行った霊夢。
「おっ、ちょっと待ってくれ!」
「早くしなさいよ」
「待って~」
来訪を知らせる訳でも無く、ずかずかと進んでいく後ろに付いて行く。
廊下をきょろきょろとしていた弟とは別に、兄はニヤリと笑って魔理沙のスカートを捲り上げた。
「……慧音の居場所は分かるのか?」
「それは問題無いわよ」
「ふ~ん……?」
「どうせ子供相手に何か教えてるんでしょ」
「それが仕事だろうしな」
悪戯に対して何の反応もしないで普通に会話を続けている。
双子も双子で、性的な事が言葉を含めて認識されないのを良い事にひそひそと話す。
「ん、魔理沙お姉ちゃんは変なの履いているな」
「これの下にパンツを履いてるんじゃないの?」
「ん~?」
「っ!?」
意識はどんなに無反応でも、未だ処女に魔理沙は尻を鷲掴みにされてビクリと身を震わせた。
そんな事を気にしない兄は、ショーツの線を求めて更に手を這わせる。
「……この下には何にも履いてないみたいだぞ?」
「じゃぁ、これがパンツ代わり?」
「そうじゃないのか?」
小振りの尻肉をどんなに撫で回しても確認出来ない事に焦れて、遂にはドロワを脱がしに掛かった。
しかし、前側に付いていた紐を解こうとした時に、肝心の魔理沙が立ち止まる。
「うわっぷ!?」
「お、お兄ちゃん!?」
「……お前達は何をしてるんだ?」
「何、また奇行を繰り返してるの?」
「痛たた、魔理沙お姉ちゃんが急に止まるから、ぶつかっちゃったんだよ!」
「そりゃ悪かったな」
「少し離れて歩けば良いでしょ」
「えへへ、そうだね」
痛がる兄に代わって弟が霊夢の言葉に返すが、興味はすぐに新しく増えていた人物に移った。
「霊夢お姉ちゃん、その人誰?」
「これが、あんた達が世話になる上白沢慧音よ」
「……まずは説明をして貰おうか」
特徴的な帽子を乗せた頭を抱えて霊夢に返す慧音。
まさに、かくかくしかじかと言う例えがぴったりの簡単な説明で、特に食事関係の辺りで納得したらしい。
「で、預かってくれるの?」
「あぁ、良いぞ」
納得された部分に納得がいかなかった霊夢が若干怒りながら確認をするも、意外にあっさりと承諾した。
「そんな、ほいほい引き受けて良いのか?」
「ここでの常識を教える為に預かるだけだ、それ位なら問題ない」
「何とも面倒見の良い奴だな」
「魔理沙も子供が迷っていれば助けるだろう?」
「見なかった事にするぜ」
「いや、案外助けるかも知れんぞ?」
「まぁ、使えそうだったらそうかもな」
「……ふふっ、そういう事にしておいてやるよ」
「……何だよ」
魔理沙の性格を知っている慧音は、何だかんだ言っても困っている人間を見れば手を差し伸べてしまう光景を思い浮かべて優しく笑う。
それに気が付いた本人も、耳を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「……ねぇ、霊夢お姉ちゃん」
「ん、何よ?」
「もう、お姉ちゃんには会えないの?」
和んだ雰囲気の中で一人だけ沈んだ弟が呟く。
寂しそうな顔で、か細く聞いてくる姿は流石の霊夢も心を動かされた。
「……あんた達がちゃんと働いて、お賽銭を出せる様になったらまた来なさい」
「……、うん、分かった!」
いつか必ず受け入れられると分かって、ひとまず笑顔を取り戻した弟に安心して慧音に顔を向ける。
「じゃぁ、この子達をよろしくね」
「任せておけ」
「私も帰るか~」
隣で伸びをしている魔理沙に呆れつつも文句を突きつけた霊夢。
「……今度来る時はお土産でも持って来なさいよ」
「……甘い茸があるぜ」
「食べれるのそれ?」
「ピンクの像が見える様になるぜ」
「食べられないキノコだから、それ!」
双子は危ない掛け合いを交わして去っていく後姿に、寂しさが込み上がって来る。
1日とは言えども命を救って貰い、口では面倒だと言っても世話をしてくれた恩を感じていた。
傍に居る時は、ふざけて悪戯をした挙句に犯しもしたが、離れてしまうとなると心細い。
悲しみを湛え始めた雰囲気を察知した慧音は、励ます為に教室へ誘う。
近い年頃の生徒に囲まれれば、少なくとも今は気が紛れると思ったのだ。
「これから、お前達と同じ位の子供が居る教室へ行くから付いて来い」
「は~い……」
「うん……」
元気の無い返事で返す双子を連れて、教室へ入ると迎えるのは好奇の目。
ただでさえ同年代の子供が多くない状況で新しく、しかも見慣れない服を着ているので珍しいのだろう。
慧音から紹介をされると、生徒達から一気に質問が飛んでくる。
目を白黒させながら、転入生への恒例行事を乗り切っていった。
そして授業中、騒がしい洗礼を受けた双子は授業に集中……、出来る訳も無く、萎んでいた性欲が復活してくる。
それぞれが揉んでいた霊夢と魔理沙の胸に身体の感触を思い出して、陰茎の硬さも増していった。
そこで眼を付けたのは、やはり慧音。
目測で霊夢よりも大きな胸に、揉み応えのありそうな尻に眼を奪われる。
どうせ性的な行為が認識されないと高を括って立ち上がった兄。
「あっ」
「んっ?」
ズボンのチャックから陰茎を取り出して慧音に近づいていく。
それを見ていた本人は、ニヤニヤしている表情に眉を少し顰めた。
兄が近寄ってくると、おもむろに立ち上がって兄の肩を掴み、首を後ろに反らせる。
「あぁ……」
「?」
近くに座っていた生徒から恐れる様な悲鳴を聞いた兄は、次の瞬間に意味を理解した。
「授業中は立つな!」
「あんぎゃ!?」
怒りの声と共に振り下ろされた慧音の頭は、重い音を響かせて寸分違わず額に命中する。
頭突きを受けて朦朧とする視界で、何とか立ってはいるが足は震えを止められない。
「良いか、いくらお前が幻想郷に迷い込んで寂しい思いをしていようとも、授業中はちゃんと座ってろ!」
「あぅぅ……」
「分かったな!」
「は、はい~」
説教をすると言う名目があるので少しすれば回復する程度に力加減をされており、すぐに視界は回復する。
痛みは残るものの泣き出す程ではなかった。
陰茎を取り出したままで怒られる姿は滑稽でも、それを笑う弟ではない。
頭突きをされた理由が授業中に立った事のみであると知った兄は、前屈みで叱っている所為で左右に揺れる胸を持ち上げた。
「っ、ここはお前が居た所とは違うんだ――」
「御免なさい」
素直に謝りながらも、手の動きは止まらない。
確かな重みに柔らかな感触で、痛みに萎えていた陰茎が大きくなっていく。
そんな光景を見ている慧音は顔を赤くしているが、説教は相変わらず授業中の態度の事だけ。
霊夢に限らず、魔理沙もそうであったように、自分達の能力が誰にでも通じると確信する双子だった。
ワンピースの様な形をしている都合、脱がせられない事を残念に思う兄。
しかし、これから暫く世話になるという事は決定しているし焦る事は無いと、童貞を捨てて余裕のある考えに至った。
説教が終わり、開放されると慧音の胸も開放する。
少し痛む頭を抑えて与えられた席へ戻れば、頬を膨らませている弟が迎えた。
「……お兄ちゃんばっかりズルイ!」
「でも、頭突きまで付いてきたぞ……」
「うぅ……」
「怒るなって、今度はお前が先に慧音先生の股にちんちんを入れて良いからさ」
「ホント!?」
「おぉ、だから機嫌を治せ」
「それなら良いよ」
今度は起こられない様にコソコソと、犯す算段を立てていた。
それすらも見逃さずに注意をしてくる慧音だったが、双子の言葉で動きが止まる。
「先生の授業が全然分かりません!」
「えっ!?」
幻想郷の授業は外の物よりも限定的で、主に農作業やら歴史に妖怪の危険性などが中心だ。
国語や習字・算数などもやるが、今行っているのは歴史。
それも双子が知らない固有名詞や人名を、知っていると前提に授業は行われている。
内容が今まで習った物とは懸け離れており、しかも途中参加である2人は何を言っているのか理解できない。
慧音自身もその考えに至り、とりあえず今は大人しく授業を聞いているだけで良いとの言葉を貰った。
☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯
暫くして授業が終わり、生徒達も帰ると慧音が近づいて来た。
「すまないな、まさか授業内容が分からないとは思わなかった」
「御免なさい」
「いや、謝らなくて良い、私が外の世界と歴史が違うのを失念していた所為だ」
「……慧音先生も俺達が居た所とは違うって言ってたのにね」
「お、お兄ちゃん!?」
「ふふっ、あぁ、だからこれでお相子だ」
自分のミスを素直に認め、幼い嫌味を言う兄の頭を撫でた。
「さて、お前達の部屋に案内するから付いて来なさい」
「は~い」
「……慧音先生と同じ部屋じゃダメですか?」
弟の言葉の裏には、一刻も早く慧音を犯したい欲望が見え隠れする。
しかし、返ってきた答えは希望の物とは違う物だった。
「あぁ、お前達はいつまでもここに暮らす訳ではないからな」
「えぇ……」
自分達が子供と言う事で、霊夢の様に甘えさせて貰えると思っていたので落胆する。
「働くにしても暫くはここから仕事に行っても良いが、最終的には長屋へ住んで貰うと思っている」
「でも、僕達だけじゃ不安だし、寂しいよ」
「だから、今から練習をする訳だよ」
「うぅ……」
元居た世界には戻ろうと思っていない双子は、慧音の言葉に唸るしかない。
幻想郷で生きる以上は、2人だけで何処かに住居を構える必要がある。
本当なら霊夢の家に居候をしたいが、金銭的な理由でそれも適いそうにない。
慧音自身も自分が半分獣人である為に、人である双子とあまり親密に成り過ぎるのも問題と感じている。
それ故に、双子が居候を希望していると分かる態度を見ても、あえて独り立ちを促した。
「働ければ霊夢も会ってくれるし、その時に居候させて貰える様に頼んだらどうだ?」
「そうだなぁ……」
「う~ん……」
「まぁ、まだ時間はあるし、これからの事はゆっくりと考えれば良い」
「分かった」
結局、慧音の言葉に結論を後回しにした双子は、自分達の部屋に案内される。
そこは特筆する物が無い位に狭くも無く、広すぎる事もない普通の和室。
「そこの押入れに布団が入っているから寝る時には、そこから出して使えば良い」
「うん」
「私は夕食の準備をしてくるから、出来たら呼ぶよ」
「分かった、慧音先生」
返事を聞いた慧音が部屋を出て行き、残された双子は思わぬ展開に緊急会議を始めた。
「どうしよう、同じ部屋じゃなかったらエッチな事出来ないよ」
「そうだよな……」
兄としても今回は最初に犯させてやりたいが、弟も言った通り同じ部屋でなくては犯せない。
夜這いをしようにも授業中に立って怒られた事を考えれば、『寂しい』以外の理由が必要になる。
寝静まってから忍び込む事も考えるも、そこまで夜更かしは出来ない。
何とか知恵を振り絞って、考え出した結論は一緒に風呂へ入る事だった。
しかし、その理由が風呂の勝手が分からないと言う物であり、一度しか使えなさそうでもある。
当然、それだけでは満足出来ない双子は、更に頭を働かせていく。
「う~ん、駄目だ、慧音先生の事を考えるとちんちんが大きくなって集中出来ない」
「……僕も」
性欲の汚染されてしまった所為で、働かない頭脳に考える事をやめてしまい、とりあえずは目先の快楽を求める事にした。
戻ってきた慧音の後に付いて行き、食卓へ付くと普通の夕食が置いてある。
それでも霊夢宅で見た質素極まりない物とは、雲泥の差だ。
「豪華だ……」
「うん……」
「まぁ、霊夢の食事に比べればなぁ……」
双子の台詞に、霊夢の台所事情を知っていた慧音は涙を端に浮かべていた。
可も無く不可も無い普通の食事を済ませた後に、練っていた計画を実行するべく慧音へ願い出る。
「慧音先生、僕達お風呂の入り方が分からないんですけど」
「そうそう、前居た所とは全然違う仕組みだったし……」
「ふむ、そうなのか?」
「霊夢お姉ちゃんの所でもお風呂に入ったけど、全然違ってたんです」
「俺達が使ってた物が一つも無かったもんな」
寺子屋にある風呂は温泉ではないが、外の物とは違うだろうと考え提案を飲んだ。
「分かった、それならしょうがない、今日は一緒に入るか」
「ホントに!?」
「やったな!」
「ふふっ、何をはしゃいでるんだ?」
ハイタッチをして喜ぶ双子を微笑ましく思う慧音。
その子供らしい行動とは裏腹に、ズボンの中で期待に満ちた陰茎が力を蓄えているとは思いも寄らない。
満腹になった腹が落ち着く頃になれば日もだいぶ傾いてくる。
主に使われる照明が蝋燭の幻想郷では夜更かしはしない為、完全に暗くなる前に風呂へ入る
それは慧音も例外ではなく、双子を風呂へと誘った。
「お望み通り、風呂へ行くから付いて来い」
「は~い」
「楽しみだ」
タオルと着替えの子供用着物を渡され、安産型の尻に付いて行く。
到着した風呂は一般的な物よりも大きく、子供2人と大人1人が足を伸ばしても入れる程だった。
脱衣所で喜び勇んで服を抜いた双子は、慧音の服を脱ぐ姿を視姦し始める。
歳の割に巨大な陰茎を勃起させて、女性の着替えを見続ける姿は異様の一言。
しかし見られている方は、あからさまに性的な視線を受けても能力の関係で気にも留めない。
背中のファスナーを下ろしてワンピースを脱ぐと、白い下着が姿を現した。
上下共にシンプルなデザインであるものの、少し小さいのかブラもショーツも守るべき中身を食み出させている。
そして双子達が待ちに待った瞬間が訪れた。
ブラと言う戒めが解かれた胸は、大きさと重さに負けずにツンと上向きの綺麗な乳首が晒され、ショーツを下ろせばコンパクトに生え揃った陰毛が存在している。
「さて、入ろうか?」
「う、うん!」
「綺麗だ……」
「ん、そうか? 有難う」
手拭を持って腰に手を当てている姿を見た双子は、裸体を目が零れんばかりに凝視している。
一歩踏み出す度に揺れる胸に誘われた兄が、思わず手を伸ばした。
「んっ」
「おぉ!」
「あっ、ズルイ、僕も!」
双子に左右を挟まれた慧音の胸は、幼い手によって形を変えられる。
そのまま風呂場へ入り、椅子に座らされた双子。
手を離さないといけない状況に不満を持ったが、やる事をやった後にまた揉めば良いと思い素直に従う。
説明と言っても、在る物が少ない所為で覚える事は小数。
子供らしい記憶力を発揮して1度で問題無く使える様になった。
覚えの良い生徒に気分を良くして浴室に入ったのを見た双子が、すかさず自分の目的を達成する位置へと移動した。
兄は慧音の横に立ち陰茎を顔へ突きつけ、弟は正面へ回ると足を広げさせて秘裂に手を添える。
「んっ、覚えが良くて教え甲斐があるよ」
「これ位は簡単だよ……、ねっと!」
「んむぁ!」
「そうだよねぇ」
「んひっ!?」
口に陰茎を突き込まれ、性器を触られた慧音が本能的に悲鳴を出した。
今日会ったばかりの美人に無理やりフェラをさせている興奮があっても、実際は顎の閉じており、歯と頬の内側を行き来する程度しか動かせないのは少し残念だ。
自分から最初に性器を犯す順を譲った手前、今更変わってと言える筈も無く、最初に犯す気持ち良さを弟に味わって欲しいとの思いも在った。
仕方が無くカリを唇の裏側に擦り付けて快感を得て行く。
弟はそんな兄の葛藤も露知らず、霊夢で場所を覚えた淫核を弄り回す。
「んっ、んむっ」
興奮していなくとも性感の塊を捏ねられた慧音の腰は、徐々にピクピクと跳ね出していく。
湯だけだった触り心地も滑りを感じ、秘裂へと指を差し込んだ。
「っ!?」
処女の身体が、胎内へ他人の異物を入れられて強張る。
更なる愛液の分泌を促そうとする弟はGスポットの位置を探り出し、重点的に攻め始めた。
「っ、んっ!」
暫く愛撫を繰り返し、挿入に十分と判断した弟は、慧音の腰を少し引き寄せて秘裂へと陰茎を合わせる。
大人の雰囲気を醸し出している所為で処女を思われず、一息で最奥まで挿入されてしまった。
「んぐぅぁ!?」
「おぉ、慧音先生の声がちんちんに!」
「うぅ、股が凄くキツイ!」
予想もしなかった太さの侵入者を受けてパニックになった膣内は痙攣を起こし、根元まで入り切らなかった弟の陰茎を強く拒否していた。
しかし、快感しかない弟は本能に従って腰を動かし出す。
「んっ、んっ、んん!」
「はっはっ、もう、出る!」
「んぶっ……、ごくっ……、ごくっ」
処女を破られた痛みで大きく開いた隙を、文字通り突いた兄は舌の暖かい感触で精液を流し込む。
慧音の身体も突然入ってきた液体に困惑するが、吐き出す事も無く反射的に飲み込んでいく。
亀頭を下から包む形をしていた舌へ、飲み込む喉の動きが伝わり、敏感なカリを擦る。
射精途中に刺激を受けた兄は、自然と喉奥を目指して腰を進めてしまった。
「ぐっ、ごほっ!」
「お、お兄ちゃん、また……はぅ!」
「あっ、うっ、でも……!」
弟の注意を受けても快感を得たい本能が理性を上回る事はなく、結局は咽る慧音に精液を最後まで飲ませ、余韻に浸ってしまう。
「ふぅ……、気持ち良かった」
「んむっ、むっ、あっ、はっ」
「はっ、はっ、はっ――」
余りにも気持ち良さそうな兄の姿を見て、快感を我慢していた弟は腰の動きを早めていく。
拡張されている処女の膣内は陰茎で陵辱され、残っていた処女膜も完全に削がれて行った。
長身とも言える慧音の身体を突き上げるれば、開放されている巨乳が上下に荒ぶる。
股間から来る快感で理性を霞ませた弟は、目に前で大きく揺れていた乳首に吸い付いた。
「んむぁ!?」
「おぅ、ま、また声が!?」
「あぁ、出そう!!」
赤みのある乳首は既に尖りきり、少しの刺激でも慧音に快感を送る。
それを空腹の赤子の如く吸い付かれてしまっては、破瓜の痛みも若干とは言え和らいだ。
更には性器を突き上げる動きでGスポットを刺激され、快感を引き出されていく。
湯の抵抗等なんのそのと、腰を動かす弟は必死だ。
陰茎へ肉厚の膣内はヒダの一枚一枚が絡みつき、愛液の滑りも加わって快感が大きくなっていった。
霊夢と違って発達している膣壁は、引けばカリに引っかかり、押せば亀頭を舐める。
ミミズ千匹とは言えなくとも、処女の締め付けを合わさって絶頂への道は短かった。
吸い付いていない方の胸を指一杯に広げて揉みながら、上ってくる精液を我慢せずに子宮へと流し込む。
「んっ!!」
「はぅ!」
「うぅっ!」
一人が絶頂をぶつければ、もう片方が余波を受けるという、ある意味二人三脚の攻めが慧音を襲う。
乳首を吸われながらの膣内射精を受けても、破瓜の痛みが余韻として残った所為で3人一緒に絶頂とは、この時は行かない。
半獣ゆえに人より長く生きているにも拘らず、性交をしていなかった身体は徐々に流し込まれた物が何であるか理解していく。
それが種だと認識した膣内は、侵入者を拒絶していた動きから一変し、陰茎、そして精液をより奥へ導きだしている。
弟の精液によって目覚めさせられた生殖の本能は慧音の身体を駆け巡り、歓喜は絶頂となって表された。
「んぐああぁぁ!!」
「おおぉぉ!」
「あぁ!」
余韻に浸っていた双子は急に身体を痙攣させた慧音に驚くが、それ以上に口からやってくる声の振動、膣内の今まで以上の締め付けから来る快感に翻弄される。
弟の腰を両足で挟み込み、上半身はピンと伸ばした状態で数十秒ほど硬直した後に、グッタリと湯船に身体を預けてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ――」
「ど、どうしたのかな?」
「……あれだろ、霊夢姉ちゃんみたいに一番気持ち良くなったんじゃないか?」
「あぁ、そうだね、確かに同じ様な動きをしてた!」
とりあえず見た限りでは、異常が見つからなかった双子は身体を離した。
「……このまま置いてたら慧音先生がのぼせちゃうね」
「そうだなぁ」
双子の見下ろす先には、肩幅以上に広げられた股間から破瓜の血が混ざったピンク色の精液を漏れ出させながらグッタリとしている姿がある。
口の端から白い粘液を垂らしている表情には意識を感じず、絶頂で赤くなっている慧音をこのまま置いては不味いと幼いながらも理解できた。
何とか湯船から引き上げてから脱衣所へ運び、予め置いてあったタオルで身体を拭いていく。
無言で作業をするが意識の無い女の身体を好き勝手に撫で回している状況では、蘇った性欲に従って胸や股間に悪戯をしてしまうのはしょうがない。
「今は暖かいし、大丈夫だよな?」
「うん、身体も拭いたしね」
確認の言葉に対して、肯定を示した弟は上半身へ移動し、半分開いた口へ陰茎を差し込む。
長い人生で初めての絶頂に意識を失っている慧音は、言葉すら漏らさない。
兄も下半身へ回り、M字に足を持ち上げる。
弟の陰茎に拡張された筈の性器も、柔軟性を持って元の綺麗な形になっていた。
ぴったりと閉じているが、僅かに漏れ出ていた精液を潤滑油に挿入していく。
興奮冷めやらぬ慧音の身体は、再びの侵入者に対しても愛液の分泌を持って迎え入れる。
子宮口に届くまで差し入れた後に、陰茎への圧迫感と精神的な征服感を味わってから腰を動かす。
「っ……」
「んはぁ、慧音先生の口も気持ち良い」
「んっ、そうか?」
「だって、ベロが先っぽに当たって良いよ?」
「俺はやっぱり股だなぁ……」
好き勝手に身体の使い心地を評価していく双子。
仰向けに寝かされても形を崩さない胸は、兄が突き上げる度に大きく揺れている。
一卵性の双子が良く見せる同期した動きで、その乳首を摘んだ。
「っ」
「あぁ」
「はっ、ふっ、はっ――」
慧音の口内では意識が無いながらも、反射的に異物を押し返そうと亀頭を舌で嘗め回す。
余り引きすぎると追って来ない事を学んだ弟は、丁度良い深さになる様、自分で調節していた。
喉奥に行き過ぎず、かと言って浅すぎず、舌が異物を感知して反応を返す場所を見つける。
本人の意識した動きや、膣壁の蠢きに比べると物足りなくはあるものの、それでも弟の期待に応える反応だった。
ようやく性器を犯す事が叶った兄は、最奥を重点的に突く動きに変わっている。
相変わらず根元まで入り切らない陰茎を押し込み、その状態で細かく腰を動かす。
絶頂で降りてきた子宮を小刻みに持ち上げる勢いで突き上げ、兄も早々に絶頂へと導かれる。
すぐ前に出した精液は睾丸から補充されて尿道を駆け上がっていくのを感じ、一旦抜けそうな程に引いてから一気に子宮まで突き入れた。
「うぅ!」
「っ! んっ!!」
「はうぅ!」
性器に淫核、そして乳首と、性感が集中している箇所を攻められた慧音は、双子の手によって再び絶頂へ追いやられた。
弟の陰茎は口内で、悦声を出すまいと動いた舌に押されて上顎へ擦り付けられる。
強烈に押される刺激を受け、溜まった性感を射精として開放させられた。
「ごふっ、んぐっ、ごほっ」
「あっ、あぅ、んっ」
「くうぅ~……」
仰向きに寝かされている所為で精液をスムーズに飲み込めなかった慧音も、今度は心配する声は掛けられない。
双子共に自分の欲望を発散させる事に忙しく、ただ体内へ種を本人の意思を無視して流し込まれていくだけだった。
兄も絶頂により締め付けを強めた膣壁に精液を搾り取られ、腰が震えている。
膣壁が奥へ引き込む動きを、本格的に返してくる快感は相当な物だろう。
兄も弟も、強い絶頂で口から漏れ出ている唾液を慧音に垂らしてしまっている事に気が付いていない。
そして出す物も無くなってから、力の抜けた陰茎を引き摺り出した。
「ふぅ……」
「満足出来たのは良いけど、また拭かないと……」
「あぁ、でも身体を全部拭くよりは簡単だな」
「うん」
絶頂でダルくなった腰を落ち着けながらも、胸を揉む手は止まらない。
余韻に浸っていた双子は、それぞれが汚した口と股間を綺麗に拭いていき、後始末を始める。
口の中は流石に拭き切れないので、周りだけを綺麗にしてから慧音の服を取りに行った。
兄は風呂に入る前よりも、心成しか膨らんでいた下腹部を押して精液を出させる。
空気と共に吐き出される光景は、いつ見ても満足感が得られた。
寝巻き用に持ってきたと思われる着物を着せ、肩を揺すり起こす。
「先生!」
「慧音先生起きて!」
「……ん、あれ?」
「やっと起きた!」
「こんな所で寝るなんて駄目ですよ」
「あっ、あぁ、すまない」
なぜ自分が脱衣所で寝ていたのかが思い出せない様子で、頭を押さえている。
とりあえず立ち上がろうとしたが、散々突かれた腰のダルさでそれも叶わなかった。
「んっと……、何だ?」
「先生ったら、上せちゃったんですよ」
「うん、ここまで運ぶの大変だったんですから!」
「そうなのか、有難う」
「いえいえ、お礼を言うのは俺達の方です」
「そうそう、お陰で慧音先生のおっぱいも気持ち良かったし」
「有難うと言うべきか……?」
性的な発言すらも認識されない所為で、自分の身体に付いての評価も慧音には届かない。
暫く休んでいたお陰で体力だけは回復した3人は、揃って居間へ移動した。
置いてあった急須からお茶を注いで、一息付く。
「ふぅ、お前達が居てくれて良かったよ」
「じゃぁ、一緒に寝――」
「それは駄目だ」
「えぇ……」
ぶれない慧音の言葉に、余りしつこいと嫌われるかもと思った双子は一緒の部屋で寝る事は諦めた。
その後も取り留めの無い会話をして、親睦を深めていく。
風呂で温まった身体も良い感じに冷めて来た双子は、眠気に襲われ始める。
慧音は眼を擦って話をしている姿に微笑み、寝室へと連れて行った。
「さっ、今日はもう寝なさい」
「ふぁ~い……」
「うん……」
もう半分ほど寝ている所為で応えも元気が無い。
2人が風邪を引かない様に肩まで掛け布団を掛けてやり、自分の部屋に戻ろうとすると兄が声を掛けてきた。
今にも落ちそうな瞼を必死に持ち上げ、縋る様に言葉を紡ぐ。
「慧音先生は、僕達を捨てないよね……?」
「…………あぁ、捨てないよ」
「……すぅ、……すぅ」
「…………おやすみ」
言った本人は覚えていないだろうが、意識が落ちそうな瞬間に出た偽りの無い不安な心に触れて、慧音は複雑な気持ちになった。
時が来れば、双子を独り立ちさせるのは決めている。
それはどんな事情があろうとも変わらない。
家を無くし、家族も無くした子供は双子だけではないのだ。
一度許せば制限無く集まってきてしまうのは眼に見えている。
慧音も村を守っていると言う事もあって、村人から食料を分けて貰う事も頻繁に在るが、居候を許せるのは精々が3~4人が限度。
しかし、長く生きた人生の中で幾多に見た、不安で潰されそうな子供の目は未だ慣れないし、慣れたくも無かった。
「ままならない物だ……」
三日月を見つめて呟く慧音の表情は、これからあの二人の幸せを願わずにいられなかった。
続く
基本的に夜更かしをしない幻想郷の人々は朝が早い。
夜は日が落ちれば、特に理由も無い限りは寝る。
そしてまた日が昇れば、雀の声を目覚まし代わりに起きる生活を送っていた。
人が置き忘れた、自然に合わせて生きると言うサイクルが回っている。
博麗神社の素敵な巫女である、博麗霊夢も例外ではなかった。
「……うっ、うぅ~ん」
結局同じ布団で寝てしまった双子の寝顔を見て、寝ていればそこそこ可愛いかもしれないと思ってしまう。
昨日の晩は質素極まりない食事をしてしまったので、自分が誰かを養うのは金銭的な意味で不可能だと改めて悟った。
しかし助けた手前、このまま放逐するのは少しばかり気分が悪い。
「……仕方が無い、慧音の所に預けるしかないか」
預け先の目安を付けた後、双子が目覚めない内に朝食を作りに台所へ向かう。
うっすらと包丁の音が寝室に流れてくる頃には、朝日の眩しさも手伝って未だ眠っていた弟が目を覚ました。
「んぁっ、……んん~」
一瞬、自分が寝ている場所が何処か分からず混乱したものの、若さのお陰で自分の置かれた状況を再認識する。
顔を横に向けると、霊夢の残り香がする布団で涎を垂らして寝ていた兄を起こしにかかった。
「お兄ちゃん、朝だよ!」
「んぉ!?」
「起きてぇ」
「ん、ふぁ~……、ふぅ」
身体を大きく揺さぶられた兄は直ぐに覚醒をするが、起きたと言っても客人の扱いを受けているので、特にやらなければいけない事もなかった。
現代の便利な生活を送っていた所為で幻想郷の住人が、ほぼ例外無くしなければならない朝の作業は分からない。
とりあえずボーっとするだけであったが、布団の気持ち悪さに眉を顰める。
「……布団が気持ち悪い」
「あぁ……、拭いただけじゃダメだったな」
「干した方が良いんじゃないかな?」
「そうだな、ちょっと霊夢お姉ちゃんに聞いてくるよ」
「うん」
弟を残し、一人包丁の音が聞こえる方向へ向かった。
大した距離を歩かずとも、直ぐに霊夢の姿を発見する。
個性的な巫女服に身を包んだ上に、割烹着を着て朝食の準備を進めていた。
「霊夢お姉ちゃん、布団が濡れてるけど何処に干したら良いかな?」
「……裏の、日が好く当たる所に物干し台があるから、そこに干しといて」
「は~い」
昨晩、散々犯したお陰か、尻が揺れていても興奮はしない。
しかも、夜遅くまで激しい動きをした所為で、眠りが深かったにも拘らず疲労が少しだけ残っている。
悪戯心も沸かない兄は、布団を干す為に弟の所へ戻った。
「お~い、裏に干す所があるってよ」
「分かったぁ」
水分を含んだ布団は双子が運ぶには重く、結局は霊夢の手を借りる羽目になってしまった。
そして食卓で待っていたのは、例によって質素極まりない食事。
「…………」
「……何よ」
「少ないね……」
「文句あるの?」
「在りません」
少ない食事を済ませた双子は境内へ連れ出された。
しかし、歩き出そうとした時に、霊夢は立ち止まって考え込み始める。
「……どうしたの?」
「……いえ、どうやって連れて行こうかなと」
「遠いの?」
「えぇ、歩いて行ったら1日ぐらい掛かるかも?」
「飛んで行けば良いんじゃない?」
「あんた達は飛べないでしょ、私も流石に2人は抱えられないし」
「うぅ~ん」
どう移動しようかと思案をしている3人に、空から突然声を掛けられた。
「おぉ、どうしたんだ?」
「あら、魔理沙、良い所に」
「あん?」
降り立ったのは霧雨魔理沙。
霊夢のライバル的なポジションに居る、普通の魔法使いである。
「霊夢お姉ちゃん、この人誰?」
「この黒いのは霧雨魔理沙、窃盗犯よ」
「えっ!?」
「おいおい、初対面の人間が居るんだから信じたらどうするんだ?」
「あぁ、パチュリーの所へ押し入ってるから、強盗犯ね」
「アレは死ぬまで借りているだけなんだぜ」
「え~っと……」
双子は、どこか棘があっても険悪な雰囲気ではない応酬に困惑を浮かべる。
「まっ、良い所に来たのには変わりないわね」
「だから、何なんだぜ?」
言葉を交わしている時も興味ありげに双子の事を見ていた魔理沙は、幻想郷では珍しい服を着ている事に気が付いた。
近付いて服の端を摘んで手触りを確かめた後、霊夢へ顔を向ける。
「おっ、今回の外来人は巫女直々に攫って来たのか?」
「誰がそんな面倒をするのよ」
「知ってるぜ」
「例によって迷い込んだのよ」
「予想は付いてるぜ」
「私の所じゃ面倒は見れないから、慧音の所へ押し付けようと思ってね」
「私を足にしようって所か」
「そうよ」
「まぁ、暇だから来たんだし、送るぐらいはしてやるぜ」
殆ど双子の意見を聞かなかった霊夢は、弟に背を向けて屈む。
「ほら、背中に乗りなさい」
「あっ、うん」
「じゃぁ、お前は私の箒に乗れよ」
「は~い」
2人とも背中から腕を回すが、その場所は当然の様に胸へ向かう。
霊夢に背負われた弟は肩の上から巫女服の襟を通り越てサラシに巻かれた胸を掴み、兄は魔理沙の箒に跨って黒い服の脇から手を差し込んで胸を揉んだ。
「んっ、しっかり捕まってなさいよ」
「はぁ~い!」
「お前も、ちゃんと捕まってろよ」
「分かってる」
体を襲う浮遊感に自然と手に力を込めてしまう。
揉まれている方は痛みを感じて、少し身体を強張らせながら注意してくる。
「ちょっと痛いぞ」
「ご、ごめん」
「あんたも捕まるの良いけど、もう少し力を緩めなさい」
「御免なさい」
言われた通りに、今度は優しく手を動かす。
兄は魔理沙の白い服越しに、霊夢と同じ大きさと感じる胸を揉んでいると、ある事に気が付いた。
「……魔理沙お姉ちゃんはブラジャーとか付けてないの?」
「……何だそれは?」
「おっぱいを支える下着だよ?」
「ん~……、知らないな」
ブラを付けていない胸は、兄の手によって愛撫を続けられて乳首も立ってくる。
ブラウスは薄い素材で体温も柔らかさも、直接触っているかのような感触だった。
少し押さえ付ける程度に力を入れて、上から胸の形に添って手を下ろしていく。
指の谷間に乳首を弾かれた魔理沙は声を詰まらせた。
「ふっ、ん」
朝起きてから暫く経って性欲も回復の兆しを見せている兄は、大きくなりつつある陰茎を尻に擦り付ける。
今度は胸を下から持ち上げ、指を広げて揉み込む。
風になびく髪の合間から見える魔理沙の耳は徐々に赤みを増していった。
弟も昨日の鬱憤を晴らすかの如く、霊夢の胸を揉んでいく。
好き勝手に動く手の所為で綺麗に巻かれていたサラシが少し解け、刺激で立っていた乳首だけが顔を出した。
「んっ」
服の中とは言え、外では露天風呂でしか出さない箇所を出して心細さに声を漏らす。
背負われている状態の弟は、兄同様に固くなった陰茎を霊夢の腰へ押し付けていた。
肩甲骨辺りに顔を埋めて匂いを思い切り嗅ぎながら、ぐりぐりと動かすだけで快感を得られる。
そんな悪戯の域を若干超えた行為に晒されている霊夢と魔理沙は、身体の異変を認識出来ずに飛行を続けていった。
暫く飛んでいると、ようやく目的地である寺子屋に到着する。
「さっ、着いたわよ」
「は~い」
乳首を弄ばれて身体をピンク色に染めた霊夢と魔理沙が降り立つ。
名残惜しいと思いながらも、胸から手を離した双子は寺子屋の門を見上げた。
元居た世界の巨大な校舎を思い浮かべていた兄は、素直な感想を述べる。
「……思ったより、小さいね」
「おっ、そうなのか? ……え~と、兄か弟かのどっちか」
「……俺は兄の方だよ、弟はあっち」
「……うん、分からん!」
「まぁ、双子だからね」
一卵性の双子に見分けは付かなかった魔理沙を置いて、さっさと中へ入って行った霊夢。
「おっ、ちょっと待ってくれ!」
「早くしなさいよ」
「待って~」
来訪を知らせる訳でも無く、ずかずかと進んでいく後ろに付いて行く。
廊下をきょろきょろとしていた弟とは別に、兄はニヤリと笑って魔理沙のスカートを捲り上げた。
「……慧音の居場所は分かるのか?」
「それは問題無いわよ」
「ふ~ん……?」
「どうせ子供相手に何か教えてるんでしょ」
「それが仕事だろうしな」
悪戯に対して何の反応もしないで普通に会話を続けている。
双子も双子で、性的な事が言葉を含めて認識されないのを良い事にひそひそと話す。
「ん、魔理沙お姉ちゃんは変なの履いているな」
「これの下にパンツを履いてるんじゃないの?」
「ん~?」
「っ!?」
意識はどんなに無反応でも、未だ処女に魔理沙は尻を鷲掴みにされてビクリと身を震わせた。
そんな事を気にしない兄は、ショーツの線を求めて更に手を這わせる。
「……この下には何にも履いてないみたいだぞ?」
「じゃぁ、これがパンツ代わり?」
「そうじゃないのか?」
小振りの尻肉をどんなに撫で回しても確認出来ない事に焦れて、遂にはドロワを脱がしに掛かった。
しかし、前側に付いていた紐を解こうとした時に、肝心の魔理沙が立ち止まる。
「うわっぷ!?」
「お、お兄ちゃん!?」
「……お前達は何をしてるんだ?」
「何、また奇行を繰り返してるの?」
「痛たた、魔理沙お姉ちゃんが急に止まるから、ぶつかっちゃったんだよ!」
「そりゃ悪かったな」
「少し離れて歩けば良いでしょ」
「えへへ、そうだね」
痛がる兄に代わって弟が霊夢の言葉に返すが、興味はすぐに新しく増えていた人物に移った。
「霊夢お姉ちゃん、その人誰?」
「これが、あんた達が世話になる上白沢慧音よ」
「……まずは説明をして貰おうか」
特徴的な帽子を乗せた頭を抱えて霊夢に返す慧音。
まさに、かくかくしかじかと言う例えがぴったりの簡単な説明で、特に食事関係の辺りで納得したらしい。
「で、預かってくれるの?」
「あぁ、良いぞ」
納得された部分に納得がいかなかった霊夢が若干怒りながら確認をするも、意外にあっさりと承諾した。
「そんな、ほいほい引き受けて良いのか?」
「ここでの常識を教える為に預かるだけだ、それ位なら問題ない」
「何とも面倒見の良い奴だな」
「魔理沙も子供が迷っていれば助けるだろう?」
「見なかった事にするぜ」
「いや、案外助けるかも知れんぞ?」
「まぁ、使えそうだったらそうかもな」
「……ふふっ、そういう事にしておいてやるよ」
「……何だよ」
魔理沙の性格を知っている慧音は、何だかんだ言っても困っている人間を見れば手を差し伸べてしまう光景を思い浮かべて優しく笑う。
それに気が付いた本人も、耳を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「……ねぇ、霊夢お姉ちゃん」
「ん、何よ?」
「もう、お姉ちゃんには会えないの?」
和んだ雰囲気の中で一人だけ沈んだ弟が呟く。
寂しそうな顔で、か細く聞いてくる姿は流石の霊夢も心を動かされた。
「……あんた達がちゃんと働いて、お賽銭を出せる様になったらまた来なさい」
「……、うん、分かった!」
いつか必ず受け入れられると分かって、ひとまず笑顔を取り戻した弟に安心して慧音に顔を向ける。
「じゃぁ、この子達をよろしくね」
「任せておけ」
「私も帰るか~」
隣で伸びをしている魔理沙に呆れつつも文句を突きつけた霊夢。
「……今度来る時はお土産でも持って来なさいよ」
「……甘い茸があるぜ」
「食べれるのそれ?」
「ピンクの像が見える様になるぜ」
「食べられないキノコだから、それ!」
双子は危ない掛け合いを交わして去っていく後姿に、寂しさが込み上がって来る。
1日とは言えども命を救って貰い、口では面倒だと言っても世話をしてくれた恩を感じていた。
傍に居る時は、ふざけて悪戯をした挙句に犯しもしたが、離れてしまうとなると心細い。
悲しみを湛え始めた雰囲気を察知した慧音は、励ます為に教室へ誘う。
近い年頃の生徒に囲まれれば、少なくとも今は気が紛れると思ったのだ。
「これから、お前達と同じ位の子供が居る教室へ行くから付いて来い」
「は~い……」
「うん……」
元気の無い返事で返す双子を連れて、教室へ入ると迎えるのは好奇の目。
ただでさえ同年代の子供が多くない状況で新しく、しかも見慣れない服を着ているので珍しいのだろう。
慧音から紹介をされると、生徒達から一気に質問が飛んでくる。
目を白黒させながら、転入生への恒例行事を乗り切っていった。
そして授業中、騒がしい洗礼を受けた双子は授業に集中……、出来る訳も無く、萎んでいた性欲が復活してくる。
それぞれが揉んでいた霊夢と魔理沙の胸に身体の感触を思い出して、陰茎の硬さも増していった。
そこで眼を付けたのは、やはり慧音。
目測で霊夢よりも大きな胸に、揉み応えのありそうな尻に眼を奪われる。
どうせ性的な行為が認識されないと高を括って立ち上がった兄。
「あっ」
「んっ?」
ズボンのチャックから陰茎を取り出して慧音に近づいていく。
それを見ていた本人は、ニヤニヤしている表情に眉を少し顰めた。
兄が近寄ってくると、おもむろに立ち上がって兄の肩を掴み、首を後ろに反らせる。
「あぁ……」
「?」
近くに座っていた生徒から恐れる様な悲鳴を聞いた兄は、次の瞬間に意味を理解した。
「授業中は立つな!」
「あんぎゃ!?」
怒りの声と共に振り下ろされた慧音の頭は、重い音を響かせて寸分違わず額に命中する。
頭突きを受けて朦朧とする視界で、何とか立ってはいるが足は震えを止められない。
「良いか、いくらお前が幻想郷に迷い込んで寂しい思いをしていようとも、授業中はちゃんと座ってろ!」
「あぅぅ……」
「分かったな!」
「は、はい~」
説教をすると言う名目があるので少しすれば回復する程度に力加減をされており、すぐに視界は回復する。
痛みは残るものの泣き出す程ではなかった。
陰茎を取り出したままで怒られる姿は滑稽でも、それを笑う弟ではない。
頭突きをされた理由が授業中に立った事のみであると知った兄は、前屈みで叱っている所為で左右に揺れる胸を持ち上げた。
「っ、ここはお前が居た所とは違うんだ――」
「御免なさい」
素直に謝りながらも、手の動きは止まらない。
確かな重みに柔らかな感触で、痛みに萎えていた陰茎が大きくなっていく。
そんな光景を見ている慧音は顔を赤くしているが、説教は相変わらず授業中の態度の事だけ。
霊夢に限らず、魔理沙もそうであったように、自分達の能力が誰にでも通じると確信する双子だった。
ワンピースの様な形をしている都合、脱がせられない事を残念に思う兄。
しかし、これから暫く世話になるという事は決定しているし焦る事は無いと、童貞を捨てて余裕のある考えに至った。
説教が終わり、開放されると慧音の胸も開放する。
少し痛む頭を抑えて与えられた席へ戻れば、頬を膨らませている弟が迎えた。
「……お兄ちゃんばっかりズルイ!」
「でも、頭突きまで付いてきたぞ……」
「うぅ……」
「怒るなって、今度はお前が先に慧音先生の股にちんちんを入れて良いからさ」
「ホント!?」
「おぉ、だから機嫌を治せ」
「それなら良いよ」
今度は起こられない様にコソコソと、犯す算段を立てていた。
それすらも見逃さずに注意をしてくる慧音だったが、双子の言葉で動きが止まる。
「先生の授業が全然分かりません!」
「えっ!?」
幻想郷の授業は外の物よりも限定的で、主に農作業やら歴史に妖怪の危険性などが中心だ。
国語や習字・算数などもやるが、今行っているのは歴史。
それも双子が知らない固有名詞や人名を、知っていると前提に授業は行われている。
内容が今まで習った物とは懸け離れており、しかも途中参加である2人は何を言っているのか理解できない。
慧音自身もその考えに至り、とりあえず今は大人しく授業を聞いているだけで良いとの言葉を貰った。
☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯☯
暫くして授業が終わり、生徒達も帰ると慧音が近づいて来た。
「すまないな、まさか授業内容が分からないとは思わなかった」
「御免なさい」
「いや、謝らなくて良い、私が外の世界と歴史が違うのを失念していた所為だ」
「……慧音先生も俺達が居た所とは違うって言ってたのにね」
「お、お兄ちゃん!?」
「ふふっ、あぁ、だからこれでお相子だ」
自分のミスを素直に認め、幼い嫌味を言う兄の頭を撫でた。
「さて、お前達の部屋に案内するから付いて来なさい」
「は~い」
「……慧音先生と同じ部屋じゃダメですか?」
弟の言葉の裏には、一刻も早く慧音を犯したい欲望が見え隠れする。
しかし、返ってきた答えは希望の物とは違う物だった。
「あぁ、お前達はいつまでもここに暮らす訳ではないからな」
「えぇ……」
自分達が子供と言う事で、霊夢の様に甘えさせて貰えると思っていたので落胆する。
「働くにしても暫くはここから仕事に行っても良いが、最終的には長屋へ住んで貰うと思っている」
「でも、僕達だけじゃ不安だし、寂しいよ」
「だから、今から練習をする訳だよ」
「うぅ……」
元居た世界には戻ろうと思っていない双子は、慧音の言葉に唸るしかない。
幻想郷で生きる以上は、2人だけで何処かに住居を構える必要がある。
本当なら霊夢の家に居候をしたいが、金銭的な理由でそれも適いそうにない。
慧音自身も自分が半分獣人である為に、人である双子とあまり親密に成り過ぎるのも問題と感じている。
それ故に、双子が居候を希望していると分かる態度を見ても、あえて独り立ちを促した。
「働ければ霊夢も会ってくれるし、その時に居候させて貰える様に頼んだらどうだ?」
「そうだなぁ……」
「う~ん……」
「まぁ、まだ時間はあるし、これからの事はゆっくりと考えれば良い」
「分かった」
結局、慧音の言葉に結論を後回しにした双子は、自分達の部屋に案内される。
そこは特筆する物が無い位に狭くも無く、広すぎる事もない普通の和室。
「そこの押入れに布団が入っているから寝る時には、そこから出して使えば良い」
「うん」
「私は夕食の準備をしてくるから、出来たら呼ぶよ」
「分かった、慧音先生」
返事を聞いた慧音が部屋を出て行き、残された双子は思わぬ展開に緊急会議を始めた。
「どうしよう、同じ部屋じゃなかったらエッチな事出来ないよ」
「そうだよな……」
兄としても今回は最初に犯させてやりたいが、弟も言った通り同じ部屋でなくては犯せない。
夜這いをしようにも授業中に立って怒られた事を考えれば、『寂しい』以外の理由が必要になる。
寝静まってから忍び込む事も考えるも、そこまで夜更かしは出来ない。
何とか知恵を振り絞って、考え出した結論は一緒に風呂へ入る事だった。
しかし、その理由が風呂の勝手が分からないと言う物であり、一度しか使えなさそうでもある。
当然、それだけでは満足出来ない双子は、更に頭を働かせていく。
「う~ん、駄目だ、慧音先生の事を考えるとちんちんが大きくなって集中出来ない」
「……僕も」
性欲の汚染されてしまった所為で、働かない頭脳に考える事をやめてしまい、とりあえずは目先の快楽を求める事にした。
戻ってきた慧音の後に付いて行き、食卓へ付くと普通の夕食が置いてある。
それでも霊夢宅で見た質素極まりない物とは、雲泥の差だ。
「豪華だ……」
「うん……」
「まぁ、霊夢の食事に比べればなぁ……」
双子の台詞に、霊夢の台所事情を知っていた慧音は涙を端に浮かべていた。
可も無く不可も無い普通の食事を済ませた後に、練っていた計画を実行するべく慧音へ願い出る。
「慧音先生、僕達お風呂の入り方が分からないんですけど」
「そうそう、前居た所とは全然違う仕組みだったし……」
「ふむ、そうなのか?」
「霊夢お姉ちゃんの所でもお風呂に入ったけど、全然違ってたんです」
「俺達が使ってた物が一つも無かったもんな」
寺子屋にある風呂は温泉ではないが、外の物とは違うだろうと考え提案を飲んだ。
「分かった、それならしょうがない、今日は一緒に入るか」
「ホントに!?」
「やったな!」
「ふふっ、何をはしゃいでるんだ?」
ハイタッチをして喜ぶ双子を微笑ましく思う慧音。
その子供らしい行動とは裏腹に、ズボンの中で期待に満ちた陰茎が力を蓄えているとは思いも寄らない。
満腹になった腹が落ち着く頃になれば日もだいぶ傾いてくる。
主に使われる照明が蝋燭の幻想郷では夜更かしはしない為、完全に暗くなる前に風呂へ入る
それは慧音も例外ではなく、双子を風呂へと誘った。
「お望み通り、風呂へ行くから付いて来い」
「は~い」
「楽しみだ」
タオルと着替えの子供用着物を渡され、安産型の尻に付いて行く。
到着した風呂は一般的な物よりも大きく、子供2人と大人1人が足を伸ばしても入れる程だった。
脱衣所で喜び勇んで服を抜いた双子は、慧音の服を脱ぐ姿を視姦し始める。
歳の割に巨大な陰茎を勃起させて、女性の着替えを見続ける姿は異様の一言。
しかし見られている方は、あからさまに性的な視線を受けても能力の関係で気にも留めない。
背中のファスナーを下ろしてワンピースを脱ぐと、白い下着が姿を現した。
上下共にシンプルなデザインであるものの、少し小さいのかブラもショーツも守るべき中身を食み出させている。
そして双子達が待ちに待った瞬間が訪れた。
ブラと言う戒めが解かれた胸は、大きさと重さに負けずにツンと上向きの綺麗な乳首が晒され、ショーツを下ろせばコンパクトに生え揃った陰毛が存在している。
「さて、入ろうか?」
「う、うん!」
「綺麗だ……」
「ん、そうか? 有難う」
手拭を持って腰に手を当てている姿を見た双子は、裸体を目が零れんばかりに凝視している。
一歩踏み出す度に揺れる胸に誘われた兄が、思わず手を伸ばした。
「んっ」
「おぉ!」
「あっ、ズルイ、僕も!」
双子に左右を挟まれた慧音の胸は、幼い手によって形を変えられる。
そのまま風呂場へ入り、椅子に座らされた双子。
手を離さないといけない状況に不満を持ったが、やる事をやった後にまた揉めば良いと思い素直に従う。
説明と言っても、在る物が少ない所為で覚える事は小数。
子供らしい記憶力を発揮して1度で問題無く使える様になった。
覚えの良い生徒に気分を良くして浴室に入ったのを見た双子が、すかさず自分の目的を達成する位置へと移動した。
兄は慧音の横に立ち陰茎を顔へ突きつけ、弟は正面へ回ると足を広げさせて秘裂に手を添える。
「んっ、覚えが良くて教え甲斐があるよ」
「これ位は簡単だよ……、ねっと!」
「んむぁ!」
「そうだよねぇ」
「んひっ!?」
口に陰茎を突き込まれ、性器を触られた慧音が本能的に悲鳴を出した。
今日会ったばかりの美人に無理やりフェラをさせている興奮があっても、実際は顎の閉じており、歯と頬の内側を行き来する程度しか動かせないのは少し残念だ。
自分から最初に性器を犯す順を譲った手前、今更変わってと言える筈も無く、最初に犯す気持ち良さを弟に味わって欲しいとの思いも在った。
仕方が無くカリを唇の裏側に擦り付けて快感を得て行く。
弟はそんな兄の葛藤も露知らず、霊夢で場所を覚えた淫核を弄り回す。
「んっ、んむっ」
興奮していなくとも性感の塊を捏ねられた慧音の腰は、徐々にピクピクと跳ね出していく。
湯だけだった触り心地も滑りを感じ、秘裂へと指を差し込んだ。
「っ!?」
処女の身体が、胎内へ他人の異物を入れられて強張る。
更なる愛液の分泌を促そうとする弟はGスポットの位置を探り出し、重点的に攻め始めた。
「っ、んっ!」
暫く愛撫を繰り返し、挿入に十分と判断した弟は、慧音の腰を少し引き寄せて秘裂へと陰茎を合わせる。
大人の雰囲気を醸し出している所為で処女を思われず、一息で最奥まで挿入されてしまった。
「んぐぅぁ!?」
「おぉ、慧音先生の声がちんちんに!」
「うぅ、股が凄くキツイ!」
予想もしなかった太さの侵入者を受けてパニックになった膣内は痙攣を起こし、根元まで入り切らなかった弟の陰茎を強く拒否していた。
しかし、快感しかない弟は本能に従って腰を動かし出す。
「んっ、んっ、んん!」
「はっはっ、もう、出る!」
「んぶっ……、ごくっ……、ごくっ」
処女を破られた痛みで大きく開いた隙を、文字通り突いた兄は舌の暖かい感触で精液を流し込む。
慧音の身体も突然入ってきた液体に困惑するが、吐き出す事も無く反射的に飲み込んでいく。
亀頭を下から包む形をしていた舌へ、飲み込む喉の動きが伝わり、敏感なカリを擦る。
射精途中に刺激を受けた兄は、自然と喉奥を目指して腰を進めてしまった。
「ぐっ、ごほっ!」
「お、お兄ちゃん、また……はぅ!」
「あっ、うっ、でも……!」
弟の注意を受けても快感を得たい本能が理性を上回る事はなく、結局は咽る慧音に精液を最後まで飲ませ、余韻に浸ってしまう。
「ふぅ……、気持ち良かった」
「んむっ、むっ、あっ、はっ」
「はっ、はっ、はっ――」
余りにも気持ち良さそうな兄の姿を見て、快感を我慢していた弟は腰の動きを早めていく。
拡張されている処女の膣内は陰茎で陵辱され、残っていた処女膜も完全に削がれて行った。
長身とも言える慧音の身体を突き上げるれば、開放されている巨乳が上下に荒ぶる。
股間から来る快感で理性を霞ませた弟は、目に前で大きく揺れていた乳首に吸い付いた。
「んむぁ!?」
「おぅ、ま、また声が!?」
「あぁ、出そう!!」
赤みのある乳首は既に尖りきり、少しの刺激でも慧音に快感を送る。
それを空腹の赤子の如く吸い付かれてしまっては、破瓜の痛みも若干とは言え和らいだ。
更には性器を突き上げる動きでGスポットを刺激され、快感を引き出されていく。
湯の抵抗等なんのそのと、腰を動かす弟は必死だ。
陰茎へ肉厚の膣内はヒダの一枚一枚が絡みつき、愛液の滑りも加わって快感が大きくなっていった。
霊夢と違って発達している膣壁は、引けばカリに引っかかり、押せば亀頭を舐める。
ミミズ千匹とは言えなくとも、処女の締め付けを合わさって絶頂への道は短かった。
吸い付いていない方の胸を指一杯に広げて揉みながら、上ってくる精液を我慢せずに子宮へと流し込む。
「んっ!!」
「はぅ!」
「うぅっ!」
一人が絶頂をぶつければ、もう片方が余波を受けるという、ある意味二人三脚の攻めが慧音を襲う。
乳首を吸われながらの膣内射精を受けても、破瓜の痛みが余韻として残った所為で3人一緒に絶頂とは、この時は行かない。
半獣ゆえに人より長く生きているにも拘らず、性交をしていなかった身体は徐々に流し込まれた物が何であるか理解していく。
それが種だと認識した膣内は、侵入者を拒絶していた動きから一変し、陰茎、そして精液をより奥へ導きだしている。
弟の精液によって目覚めさせられた生殖の本能は慧音の身体を駆け巡り、歓喜は絶頂となって表された。
「んぐああぁぁ!!」
「おおぉぉ!」
「あぁ!」
余韻に浸っていた双子は急に身体を痙攣させた慧音に驚くが、それ以上に口からやってくる声の振動、膣内の今まで以上の締め付けから来る快感に翻弄される。
弟の腰を両足で挟み込み、上半身はピンと伸ばした状態で数十秒ほど硬直した後に、グッタリと湯船に身体を預けてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ――」
「ど、どうしたのかな?」
「……あれだろ、霊夢姉ちゃんみたいに一番気持ち良くなったんじゃないか?」
「あぁ、そうだね、確かに同じ様な動きをしてた!」
とりあえず見た限りでは、異常が見つからなかった双子は身体を離した。
「……このまま置いてたら慧音先生がのぼせちゃうね」
「そうだなぁ」
双子の見下ろす先には、肩幅以上に広げられた股間から破瓜の血が混ざったピンク色の精液を漏れ出させながらグッタリとしている姿がある。
口の端から白い粘液を垂らしている表情には意識を感じず、絶頂で赤くなっている慧音をこのまま置いては不味いと幼いながらも理解できた。
何とか湯船から引き上げてから脱衣所へ運び、予め置いてあったタオルで身体を拭いていく。
無言で作業をするが意識の無い女の身体を好き勝手に撫で回している状況では、蘇った性欲に従って胸や股間に悪戯をしてしまうのはしょうがない。
「今は暖かいし、大丈夫だよな?」
「うん、身体も拭いたしね」
確認の言葉に対して、肯定を示した弟は上半身へ移動し、半分開いた口へ陰茎を差し込む。
長い人生で初めての絶頂に意識を失っている慧音は、言葉すら漏らさない。
兄も下半身へ回り、M字に足を持ち上げる。
弟の陰茎に拡張された筈の性器も、柔軟性を持って元の綺麗な形になっていた。
ぴったりと閉じているが、僅かに漏れ出ていた精液を潤滑油に挿入していく。
興奮冷めやらぬ慧音の身体は、再びの侵入者に対しても愛液の分泌を持って迎え入れる。
子宮口に届くまで差し入れた後に、陰茎への圧迫感と精神的な征服感を味わってから腰を動かす。
「っ……」
「んはぁ、慧音先生の口も気持ち良い」
「んっ、そうか?」
「だって、ベロが先っぽに当たって良いよ?」
「俺はやっぱり股だなぁ……」
好き勝手に身体の使い心地を評価していく双子。
仰向けに寝かされても形を崩さない胸は、兄が突き上げる度に大きく揺れている。
一卵性の双子が良く見せる同期した動きで、その乳首を摘んだ。
「っ」
「あぁ」
「はっ、ふっ、はっ――」
慧音の口内では意識が無いながらも、反射的に異物を押し返そうと亀頭を舌で嘗め回す。
余り引きすぎると追って来ない事を学んだ弟は、丁度良い深さになる様、自分で調節していた。
喉奥に行き過ぎず、かと言って浅すぎず、舌が異物を感知して反応を返す場所を見つける。
本人の意識した動きや、膣壁の蠢きに比べると物足りなくはあるものの、それでも弟の期待に応える反応だった。
ようやく性器を犯す事が叶った兄は、最奥を重点的に突く動きに変わっている。
相変わらず根元まで入り切らない陰茎を押し込み、その状態で細かく腰を動かす。
絶頂で降りてきた子宮を小刻みに持ち上げる勢いで突き上げ、兄も早々に絶頂へと導かれる。
すぐ前に出した精液は睾丸から補充されて尿道を駆け上がっていくのを感じ、一旦抜けそうな程に引いてから一気に子宮まで突き入れた。
「うぅ!」
「っ! んっ!!」
「はうぅ!」
性器に淫核、そして乳首と、性感が集中している箇所を攻められた慧音は、双子の手によって再び絶頂へ追いやられた。
弟の陰茎は口内で、悦声を出すまいと動いた舌に押されて上顎へ擦り付けられる。
強烈に押される刺激を受け、溜まった性感を射精として開放させられた。
「ごふっ、んぐっ、ごほっ」
「あっ、あぅ、んっ」
「くうぅ~……」
仰向きに寝かされている所為で精液をスムーズに飲み込めなかった慧音も、今度は心配する声は掛けられない。
双子共に自分の欲望を発散させる事に忙しく、ただ体内へ種を本人の意思を無視して流し込まれていくだけだった。
兄も絶頂により締め付けを強めた膣壁に精液を搾り取られ、腰が震えている。
膣壁が奥へ引き込む動きを、本格的に返してくる快感は相当な物だろう。
兄も弟も、強い絶頂で口から漏れ出ている唾液を慧音に垂らしてしまっている事に気が付いていない。
そして出す物も無くなってから、力の抜けた陰茎を引き摺り出した。
「ふぅ……」
「満足出来たのは良いけど、また拭かないと……」
「あぁ、でも身体を全部拭くよりは簡単だな」
「うん」
絶頂でダルくなった腰を落ち着けながらも、胸を揉む手は止まらない。
余韻に浸っていた双子は、それぞれが汚した口と股間を綺麗に拭いていき、後始末を始める。
口の中は流石に拭き切れないので、周りだけを綺麗にしてから慧音の服を取りに行った。
兄は風呂に入る前よりも、心成しか膨らんでいた下腹部を押して精液を出させる。
空気と共に吐き出される光景は、いつ見ても満足感が得られた。
寝巻き用に持ってきたと思われる着物を着せ、肩を揺すり起こす。
「先生!」
「慧音先生起きて!」
「……ん、あれ?」
「やっと起きた!」
「こんな所で寝るなんて駄目ですよ」
「あっ、あぁ、すまない」
なぜ自分が脱衣所で寝ていたのかが思い出せない様子で、頭を押さえている。
とりあえず立ち上がろうとしたが、散々突かれた腰のダルさでそれも叶わなかった。
「んっと……、何だ?」
「先生ったら、上せちゃったんですよ」
「うん、ここまで運ぶの大変だったんですから!」
「そうなのか、有難う」
「いえいえ、お礼を言うのは俺達の方です」
「そうそう、お陰で慧音先生のおっぱいも気持ち良かったし」
「有難うと言うべきか……?」
性的な発言すらも認識されない所為で、自分の身体に付いての評価も慧音には届かない。
暫く休んでいたお陰で体力だけは回復した3人は、揃って居間へ移動した。
置いてあった急須からお茶を注いで、一息付く。
「ふぅ、お前達が居てくれて良かったよ」
「じゃぁ、一緒に寝――」
「それは駄目だ」
「えぇ……」
ぶれない慧音の言葉に、余りしつこいと嫌われるかもと思った双子は一緒の部屋で寝る事は諦めた。
その後も取り留めの無い会話をして、親睦を深めていく。
風呂で温まった身体も良い感じに冷めて来た双子は、眠気に襲われ始める。
慧音は眼を擦って話をしている姿に微笑み、寝室へと連れて行った。
「さっ、今日はもう寝なさい」
「ふぁ~い……」
「うん……」
もう半分ほど寝ている所為で応えも元気が無い。
2人が風邪を引かない様に肩まで掛け布団を掛けてやり、自分の部屋に戻ろうとすると兄が声を掛けてきた。
今にも落ちそうな瞼を必死に持ち上げ、縋る様に言葉を紡ぐ。
「慧音先生は、僕達を捨てないよね……?」
「…………あぁ、捨てないよ」
「……すぅ、……すぅ」
「…………おやすみ」
言った本人は覚えていないだろうが、意識が落ちそうな瞬間に出た偽りの無い不安な心に触れて、慧音は複雑な気持ちになった。
時が来れば、双子を独り立ちさせるのは決めている。
それはどんな事情があろうとも変わらない。
家を無くし、家族も無くした子供は双子だけではないのだ。
一度許せば制限無く集まってきてしまうのは眼に見えている。
慧音も村を守っていると言う事もあって、村人から食料を分けて貰う事も頻繁に在るが、居候を許せるのは精々が3~4人が限度。
しかし、長く生きた人生の中で幾多に見た、不安で潰されそうな子供の目は未だ慣れないし、慣れたくも無かった。
「ままならない物だ……」
三日月を見つめて呟く慧音の表情は、これからあの二人の幸せを願わずにいられなかった。
続く
3月なので現状報告
危うく忘れる所だった・・・
同人小説は『リリカル~』の中の1章が、もう直ぐ出来ます。
残りの3つは、まだ序盤までだったりプロットだけだったりです。
連載中の小説は、全然出来てません!
いや、ミクがですね・・・
でも、どんなに遅くなっても期限は守るよ!
・・・最近15日が来るの、早すぎる気がするけどね。
それと挿絵ですが、イメージだけしか・・・
えぇ、『ピアプロ』のコラボミクが忙しくで出来なかったのですよ。
言い訳にしかなりませんけど。
コラボに応募するイラストの案は、まだ2つあるのにどうしよう。
色々間に合わない。
もっとエロに関しての更新がしたいんだぜ。
| HOME |