次回の同人小説『ゼロ○使い魔の世界でズブリ』の体験版β
※エロに関係ない無駄な説明はガッツリ消すかもしれません。
その1
全身を包むのは痛み。
爆発と思われる衝撃波が無防備だった身体へ激しく当たり、何の抵抗も出来ずに吹き飛ばされた。
しかし、肉体的な痛みは外部からだけではなく、内部からも感じる。
頭の中を始め、全身に走る神経や毛細血管の一本一本にまで激痛が駆け巡り、果ては魂さえも掻き回されているかの様な感覚に陥った。
まさに激痛と言う言葉を鼻で笑える程の痛みは、吹き飛ばされて浮き上がる身体の感覚から一瞬である事が辛うじて認識出来る。
結果的に痛みを耐え切れず、いつの間にか気を失ってしまうが、地面に落ちた衝撃ですぐに意識が戻った。
背中や後頭部に感じる草のチクチクとした刺激で、自分が生きている事と地面の確かな感触に安堵してしまう。
そして何か重要な事を忘れてしまった喪失感に捕らわれていると、すぐ傍から声を掛けられた。
「あの、大丈夫ですか?」
「えっ?」
目の前に居た人物は、驚く事にメイドさんである。
ボブカットに切り揃えられた綺麗な黒髪に、白いメイドカチューシャ。
黒を基調としたワンピースに白いエプロン。
そして何より、童顔に似合わない大きな胸。
顔に目を向ければ、そばかすの無い綺麗な肌に何処かで見た事のある顔。
現実の世界の記憶は薄れても確実に断言出来る。
どう見ても『ゼロの使い魔』のシエスタです。
本当に――
「……あの、大丈夫……ですか?」
「えっ、あぁ、大丈夫」
声を掛けても返事が無い事に、もう一度声を掛けてくるシエスタ。
全身を包んだ筈の激痛は無く、後遺症どころか身体は前より軽い。
「君、危ないから離れなさい」
「あっ、し、失礼しました。ミスタ・コルベール!」
何とか起き上がろうとしていると、シエスタの後ろから注意を促す声が聞こえてくる。
聞き覚えのある名前はどう考えても『ゼロの使い魔』の登場人物の物。
そして見えてくるのは、挿絵で見た事のある特徴的な姿。
「むっ……」
俺の姿を確認した途端に黙り込んだ。
特に大きな混乱もしていないコルベールは辺りを見回すも、眼に映るのは爆発前と変わらない光景しかない。
唯一つ違う点は召喚されたであろう人物が、生垣で座り込んでいる事だけだった。
「ミスタ・コルベール! 私の使い魔は何処ですか!?」
後ろから見ても尋常じゃない雰囲気を感じ取ったのか、かなり切羽詰った色を含んでいる声がコルベールの後ろから飛んでくる。
ピンクの髪をなびかせながら息を切らせ、現れた姿はどう見ても『ゼロの使い魔』のメインヒロインであるルイズ・フランソワーズ。
そして、コルベールと同じ方向、つまり俺を見た瞬間、怪訝な表情になった
「……誰?」
「何だ? 何だ?」
生垣の前で固まったコルベールとルイズを不思議に思った生徒達が覗き込んでくる。
視線の先に居るのは、ハルケギニアの住人にとって見慣れない服を着た人物。
貴族はマントを付けていると認識を持っている生徒達には、自分達よりも地位が下の平民に見えた。
「ルイズ、『サモン・サーバント』で平民を呼び出してどうするの?」
「流石はゼロのルイズだ!」
逸早く現状を認識した一人の言葉を皮切りに、生徒達の間で笑いが広がる。
「どうせ、もしもの時の為に平民を隠しておいたんだろ?」
「ありえるよな」
「なっ、ちが――」
「それは違いますぞ」
「ミスタ・コルベール!?」
屈辱に塗れるルイズも謂れの無い疑いに反論しようと顔を上げた時、生徒の言葉を否定したのは意外にもコルベール。
「ミス・ヴァリエールは確かに、あの少年を『サモン・サーバント』で呼び出しました。それは私が保証しましょう」
昔はやり手の軍人であった為、爆発から吹き飛ばされて召喚された人物が生垣に飛んでいくのがシッカリと見えていた。
その上、大貴族の進級が掛かっている事もあり、必然と注意深く観察をしていたので見間違える筈も無い。
故にコルベールは、ルイズ自身が弁明しても信用されない客観的事実を述べたのだ。
「で、でも、平民が呼び出されるなんて……」
しかし、太鼓判を押されても納得出来ないのが召喚した本人。
望んでいた様な使い魔では無い事に落胆し、一抹の望みを掛けてコルベールへ願い出る。
「ミスタ・コルベール、もう一度やらせて下さい!」
「それは出来ません」
「ど、どうしてですか!?」
「使い魔は召喚されました。人間であっても変わりません」
「そんな……」
「さっ、儀式を続けなさい。ミス・ヴァリエール」
「………………はい」
コルベールは縋る視線を受けても、伝統を盾に再召喚を認めない。
どれだけ言っても要求を受けてくれない雰囲気を悟ったルイズは力無い足取りで、いつの間にか立っていた召喚してしまった人物に近寄った。
幾ら使い魔として召喚しても相手が人間であるのに加え、男である事で羞恥に顔を染める。
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて、普通は一生無いんだからね」
恥ずかしさを誤魔化しつつ言い訳を並べた後、契約の為の呪文を唱えた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラ・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
そして、目を瞑った状態で顔を近づけて来たと思ったらキスをされる。
その唇は柔らかく、プリプリとした弾力を感じた。
唇が接触するまで近付いた所為で、良い匂いも漂ってくる。
美少女のキスに内心、舞い上がりそうになった瞬間に頭の中で警告が鳴り響く。
言葉で知らされるのではなく、全身が泡立つ不快感が湧き上がってきたのだ。
選択の幅を広げる為に時間的な感覚が大幅に伸ばされた中で、ジワジワと身体の中を何かが浸透していく感覚が襲ってくる。
いつの間にか持っていた知識として、それは洗脳の魔法と直感的に理解した。
当然の事ながら洗脳されては困るので、同じ様に何故か知っていた知識で対抗する。
身体の中を駆け巡る魔力的な何かが意志を汲み取り、殆ど自動的に洗脳の魔法を打ち消した。
しかし、外見的には何も変わらず、身体に見かけだけのルーンが刻まれていく。
「むっ、熱っ……」
「すぐ終わるわよ。『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ」
熱いと呟いた事に、然程心配そうにしていない感じで言い放つルイズ。
かく言う俺も、そんなに転げ回る程に熱さを感じている訳でもない。
対策を打った所為で眼に見える物が出てくるまで時間は掛かったものの、問題なくルーンが浮かび上がってきた。
その場所は例によって左手の甲。
才人とは違っていても、ガンダールヴとして契約された様だ。
「ルーンを刻まれるのは痛みを伴うが、ここまで平然としているのは案外辺りかもしれないぞ?」
「でも、平民を使い魔にしたってどうしようもないですよ。ミスタ・コルベール」
殆ど痛みを感じていないで平然としていたら、コルベールに良さそうな評価を受けた。
使い魔を褒められ、契約も上手く言った事に心成しか安堵していたルイズは微妙な表情で呟く。
「ふむ、珍しいルーンだな」
「はぁ……、もっとこう、……マンティコアとかが良かったわ」
「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
コルベールの号令を機に、生徒達は教室へ戻っていく。
ついでとばかりに平民と契約した事を揶揄していき、ルイズも応戦して騒がしくなってしまった。
一通り言い争いが収まった後、今度は矛先がこっちへ向く。
「あんた、なんなのよ!」
苛立つ機嫌を隠そうともせずに睨んでくる。
「…………魔法を使いたいのか」
「っ!」
そう大きくない声で言ってみたが、ルイズは屈辱を滲ませながら視線を鋭くした。
「あんたには関係ないでしょ!!」
普段から失敗ばかりで、周りの人間を見返そうと意気込んだ使い魔の召喚も平民を呼び出すという失態。
更に、その使い魔からルイズに同情して来る様な雰囲気で言った事に対して当り散らす。
元から低い怒りの沸点は、今はより低くなっている様だ。
「魔法を使えるように出来るぞ」
「ふざけないで! 平民に何が出来るって言うのよ!」
「俺が触れば、お前は魔法を使える様になるぞ」
「な、何を言ってるの!?」
どれだけ怒鳴られても表情一つ変えない努力をして淡々と言われて、僅かに狼狽するルイズ。
今まで平民に罵声を浴びせると恐怖の視線を向けられていた事を思えば、何処か不気味に映った。
その上、自信満々に断言してきた為に、言っている事が本当なら縋りたいと心の奥底で思ってしまう。
貴族のプライドは当然あるのだが、それ以上に魔法を使えるかもしれないと言う魅惑に駆られそうになった。
「……ち、ちなみに何処を触れば魔法を使えるのか聞いてあげるわ!」
あくまで傲慢な貴族らしく、上からの物言いで聞いてくる。
原作のルイズを知っていると、プライドが大きく揺れている事が丸分かりだ。
「触るのは尻か股間、または胸と唇を含めた口内だ」
「そ、そんな所触らせる訳無いでしょ!!」
「……お前の魔法を使いたいという願いは、その程度で諦められる物なのか?」
「っ! そ、その程度って……」
あえて挑発する様に言った所為で息を呑んだルイズは、小さく反論をしていた。
魔法云々は『使い魔のルーン』に付属されていた洗脳の打ち消した時と同じ様に、いつの間にか知っていた知識から導きだした事だ。
それによれば、俺の身体からは<魔力素>という物が出ており、これを取り込んだ人間は思い通りに魔法が使えるらしい。
しかも思い通りに、『誰に』『何処から』取り込ませるかを完全に制御できる、と思われる。
実際に試すまでは何とも言えないが、使い魔の契約による洗脳の効果に抵抗できた事を考えると、信用するに値するだろう。
未だ、平民の男に身体を触られる事を拒否するか、提案に乗るかを迷っているルイズの返答を促す。
「もし触って使えなかったら、奴隷にでも何にでもなってやるよ」
「…………その言葉、本当ね?」
「あぁ、男に二言は無い」
「…………分かったわ」
こちらから不利な譲歩をする事で、承諾を得た。
返事までにかなりの間があり、獲物を狩る鷹を思い出す視線で睨み付けられれば、失敗したらと考えると恐怖しか浮かばない。
おそらく頭の中では、失敗した時の俺がボロ雑巾よりも酷い状態で転がっているだろう。
ここまで来たら、自分の頭の中にある知識を信じるだけだ。
「何処を触れば良いんだ」
「うぅ……、お尻で良いわよ」
キスをした時よりも羞恥に顔を染めながら、後ろを向いて尻を僅かに突き出してくる。
自信の無い胸は避け、唇は口に中へ指を入れられる事を嫌がり、股間は論外として残ったのがここだった様だ。
態々マントを横に退かして、短いスカートに包まれた小さな尻は震えている。
「じゃぁ、触るぞ」
「貴族の私にこんな恥ずかしい思いをさせて、もしも魔法が使えなかった時は覚悟しなさいよね!」
「はいはい」
威嚇するルイズへ適当に返事を返しつつ、スカートの中へ手を入れる。
しかし、それで慌てたのは当のルイズ。
「ちょっ、ちょっとスカートの上からでも良いでしょ!」
「直接触らないと意味が無いんだよ」
「うっ、くぅ……」
是が非でも魔法が使いたいルイズは、まさに苦汁を舐めた表情で手を受け入れた。
スカートの中は余り蒸れておらず、僅かに上った体温を感じるだけだ。
手がショーツに包まれた小さな尻に接触すると、ルイズの背中が大きく跳ねる。
「っ!」
「少しの間は我慢しろよ」
「わ、かってる、わよ!」
後ろから見える耳は赤く染まり、どれ程恥ずかしがっているかを明確に現していた。
見かけ通りの小さな尻は我が物顔で動き回る掌に、殆どすっぽりと納まる。
手触りの良い素材で作られているショーツを横へ避けてから、生の尻肉を掴む。
全体的に発達の乏しい身体をしていても、柔らかい感触を返してきた。
指に返す弾力は張りがあり、肌もスベスベで触り心地が良い。
スカートに隠れていても、軽く弾かれてプルンと元に戻る感覚を空気の変化で感じ取れる。
流石に肛門まで指を這わせる事はしない。
最初は然程ルイズに興奮してはいなかったが、実際に触ってしまうと思ったよりも興奮してくる。
美少女が羞恥に震え、自ら尻を突き出している姿と合わさった相乗効果で十分に性欲が湧き上がってきた。
手から送られてくる感触を思う存分楽しみつつも、ボロ雑巾以下にされない為にも魔力素を送り込まないといけない。
尻を揉む動きと同調しつつ、いつの間にか感じ取れる自分の身体の中に流れていた物を送り込んでいく。
「くっ……、うっ……」
確かに魔力素を送り込んでいるのだが、ルイズ自身は気が付いた様子も見せない。
恥ずかし過ぎて余裕が無い所為かも知れないが……。
貴族の淑女が自ら尻を突き出し、平民に好き勝手されている光景を誰かに見られれば、きっと即座に始末される。
ふと、嫌な未来を思い描いてしまった。
ルイズも他人に見られる事は嫌な筈だが、魔法を使いたい一心で気が付いていないのだろうか?
そして、思う存分に指を這わした後、名残惜しくも手を抜いた。
「これで、魔法が使える様になっている筈だ」
「使えなかったら覚えてなさいよ!」
「使ってみろって」
「くっ!」
どんなに睨んでも怯まない俺に、赤くした顔で悔しそうな表情を浮かべた。
それから正面を向き、半ばやけくそ気味に呪文を叫んだ。
「『レビテーション』」
帰路に付いていたコルベールがこちらを振り返る程に大きい声。
それと同時にルイズの身体は浮かび上がる。
「へぁ!?」
いつもの様に爆発の衝撃が来るかと思っていた所で浮遊感が襲い、小さな身体は結構なスピードで斜め前方へ飛んでいった。
「きゃ~~~!!」
「ミス・ヴァリエール!!」
初めて飛んだ事にパニックになった所為でコントロールを失い、放物線を描いて落ちていく。
このままでは確実に大怪我をするという状況で、コルベールは咄嗟にルイズの身体へ『フライ』の魔法を掛けた。
お陰で落ちるスピードが緩和され、ゆっくりと地面に軟着陸を果たす。
初めて魔法が成功した事と空を飛んだ事実に、ルイズはそのまま座り込んで呆然としていた。
「ミス・ヴァリエール! 大丈夫か!?」
「ぇあ、だ、大丈夫です、ミスタ・コルベール。有難う御座います」
「いや、怪我が無いなら良いが……、魔法が成功したのかね?」
怪我をさせずに着陸させても、立ち上がらない事を心配してコルベールは声を掛ける。
ルイズは話しかけられた事で何とか意識を回復させたが、改めて魔法が使えた事を言われて、思わず眼の端に涙が溜まり始めた。
「はい……、『レビテーション』が使えました」
感無量の様子で言っても、教師としてコルベールは確認しないといけない事がある。
「それは、『どうやって』かな?」
「えっ!?」
魔法を教える教師として、幾ら教授しても魔法を使わせる事が出来なかったのを考えると当然の疑問。
しかし、聞かれた本人にとっては思わぬ質問でもあった。
「つ、使い魔のお陰です!」
「どんな方法かを聞いても――」
「だ、駄目です。ミスタ・コルベール!」
咄嗟に使い魔の協力で使えたと答えてしまっても、具体的な方法を教えられる筈も無い。
そりゃ、『尻を揉ませたら使える様になりました』とは言えないだろう。
明らかに何かを隠す仕草と、分かり易い態度に疑問を感じるコルベールはチラリと俺を見る。
見慣れない素材の服に身を包み、今も殆ど無表情で立っているのは有る意味不気味。
それでも魔法を使った本人が必死に隠そうとするのなら、追求も出来ない。
「……ミス・ヴァリエール。身体に異変は感じないのだね?」
「え、えぇ。大丈夫です」
「それなら良い」
そして、座っていたルイズを立たせると、教師として言いたかった言葉を言った。
「初めて魔法を使えたね。おめでとう」
「あ、……有難う、御座います。ミスタ・コルベール」
周りからゼロと蔑まれ、公爵家の娘としてのプレッシャーもあり、誰からも認められなかったルイズが始めて正面から賞賛を受ける。
その感動は計り知れず、平民に尻を揉まれた事等一気に吹き飛ぶ程の喜びを感じた。
静かに涙を流すルイズを残し、自らも教室へと戻るコルベールは言葉を掛ける。
「今日の授業はもう無いから、使い魔との触れ合いをしておきなさい」
「ぐすっ、……はい」
そうして去って行った。
残されたルイズは、離れた場所で暇を持て余しながら立っていた俺に近付いてくる。
もじもじと顔を伏せたかと思ったら、顔を赤くさせて気丈に振舞ってきた。
「あ、あああ――」
「よく出来たな」
「あっ……」
平民に礼を言うのは貴族としてのプライドが許さないのか、『あ』から先に進んでいない。
今まで意識して保ってきた無表情を消して、普通の笑顔で褒める。
それを見たルイズはポカンとした後、今度は詰まる事無く言葉を続けた。
「ありがと……」
顔を背けたままでも分かるのは、赤くなった色と嬉しそうに微笑む口元。
ルイズは俺の無表情と淡々とした態度に若干の恐怖を感じたが、普通の表情に戻せば別に冷酷な人間でない事は察する。
更には自分が熱望していた事を成功させてくれた上に、褒められれば『ひょっとしてこいつは良い奴かも?』と普通は思う。
少なくとも今は身体を触らせるように要求した事よりも、大きな恩と認識してくれるかもしれない。
この先に俺が寝泊りするのはルイズの部屋だ。
使い魔が主人に欲情して犯す機会を狙っていると知られれば、どんなに恩があっても同じ所で寝るのは断固拒否するのは想像に難しくない。
しかし、魔法を使わせる為に止む終えなく触ったと勝手に誤解をしてくれれば、傍に居させても拒否感は生まれないと思う。
「ミスタ・コルベールも触れ合いをしなさいって言ってたし、私の部屋に戻るわよ」
「へいへい」
「返事はちゃんとしなさい」
「分かったよ」
「……ふん、まぁ良いわ」
俺の返事はとても主人に返す物ではないものの、やはり魔法を使える様にしてくれたとの思いがある為、煩く言う事も無かった。
帰る道中で細かく『フライ』と『レビテーション』を繰り返し、嬉しそうに遊んでいたのは微笑ましい。
△
部屋に戻り、お互いを知る為に問答と言う形で会話を交わして行く。
その過程で俺が元居た所に付いて話していたが、答えは――
「そんなの信じられないわ」
――の一言だった。
言葉で月が一つやら携帯やメールがあって、国の端から端に情報が一瞬にして分かると説明しても信じられないだろう。
物的証拠が無い状態で『貴方が想像も出来ない物が普通にあります』と言われても妄言としか思えない。
ましてやルイズは異世界人。
国が違えば常識が全く違うのに、世界その物が違うのだ。
俺の服の素材を除けば、信じる理由も確証も無い。
「じゃぁ、あんたの魔法を使える様になる……魔法か技術か知らないけど、それも普通にあるの?」
「いや、それは召喚された時に使える様になった」
「へぇ、そうなんだ?」
「あぁ」
別に嘘を付く事でもないので正直に言う。
さも当然とばかりに魔法を使える様になると言い出したにも拘らず、召喚された時に手に入れたと聞いて意外そうな顔をしたルイズ。
「その割には自信満々に言ってきたのは何なのよ?」
「不思議と確証が持てたんだよ」
「それまで一切無かった物に対して?」
「不思議とな」
「ふ~ん……」
俺の言葉を聞いているルイズの表情は最初と違い、胡散臭そうな物は浮かんでいない。
実際に魔法を使える様になったので、能力に付いて余り疑いを持っていないみたいだった。
「まぁ、使い魔は召喚主に合ったのが呼ばれるらしいから、私にはピッタリかしら?」
ボソッと確認する様に呟くルイズ。
「……ねぇ、魔法を使う為には絶対に、……その、……おっ、おおお、お尻を触らせないといけないの?」
「尻が嫌なら別に胸でも股間でも良いんだけど」
やはり魔法を使う為の条件を改めて口に出すと恥ずかしいのか、真っ赤になって聞いてくる。
「嫌じゃないって言うか、他は絶対に駄目よ!」
「それは残念だね」
「淑女は無闇矢鱈に身体を触らせない物なのよ! それが平民相手なら尚の事よ!」
大きな声で言うものの、既に尻を思い切り触らせてしまっている。
俺にとっては、どうせこれからもルイズの身体を弄る事になるので、貴族の価値観は興味が無い。
恥ずかしがる姿を見ながら犯すのも一興かも知れないが……。
ともかく、嘘にならない程度に濁した事実を教えておく必要もある。
「胸やら尻やらが一番魔力素を吸収させ易いんだよ」
「他は駄目なの?」
「別に手でも良いけど、吸収率が悪いから一日中手を繋いでないといけないぞ?」
「……それは駄目ね」
これは当然の考えだろう。
召喚したとする平民と手を四六時中繋いでいるとなれば、公爵家の娘として大問題だ。
貴族社会は格式もそうであるが、処女であるかも非常に重要な点の一つでもある。
手を繋いでいる事で未婚の淑女が平民相手に身体を許したと噂が立てば、それだけで娘の価値が大幅に下がってしまう。
実際に確認した上で処女を奪われていると判明してしまっては、婚約者の家に対しての侮辱にも値する。
ルイズの場合はワルドが当て嵌まるが、幾らヴァリエール家よりも低い爵位であっても変わりは無い。
寧ろ貴族社会で平民に股を開く娘が居ると思われては、『公爵』の地位が相応しいのかとも言われかねないのが現状だ。
高い爵位の家には、常に嫉妬の視線が纏わり着く。
陥れる為の穴があれば容赦無く突いて来るだろう。
それゆえに、ルイズは尻を触られるよりも恥ずかしくない、常に手を繋ぐ方法は絶対に取れないのだ。
「でも、魔法を使う感覚はもう覚えたし、触って貰う必要も無いわよ」
「吸収させた魔力素が残ってただけだよ」
「ふふ~ん、どうかしらねぇ……」
さも、してやったりと言いたそうな顔をするルイズ。
何を隠そう、部屋に戻って来るまでに細かく魔法を使っていたのは感覚を覚える為。
一番上の姉であるエレオノールに魔法を習っていた時は、とにかく感覚が一致するとしか教えられていない。
漠然過ぎる内容は、虚無のルイズには分からない。
しかし、正常な状態で魔法を使う機会が降って沸いて来たので、今の内に感覚を覚えて置こうと言うつもりだった。
思惑通りに身体へ経験として刻み、その実感が先程の自信満々な態度に繋がっている。
「まぁ、次の機会に確かめてみれば良いよ」
「残念だったわね? ご主人様の魅力的な身体に触れなくて」
「…………」
「……な、何よ、その眼は!」
「別に」
「くっ!!」
哀れそうな視線を流したら、何処か狼狽した顔で言い繕って来た。
自分の身体が貧相なのは自覚しているのか。
会話をするのに忙しくて時間を気にしていなかったが、窓の外はすっかり暗くなっている。
夕食はシエスタではないメイドに言って持って来させたので、腹は減っていない。
「それで、俺は何処に寝れば良いんだ?」
「そこに藁があるでしょ。そこに寝なさい」
「……あぁ、もしかしたら精神的な負担で能力が使えないかも知れないなぁ」
「だ、大丈夫よ!」
如何にもワザとらしく言ってみたが、大丈夫だと重ねて言ってくる。
本当に万が一にでも使えなくなってしまっては、ルイズにとって死活問題なのは自覚していた。
ジッと沈黙を保ちながら見つめていると妙に自信満々だった表情から、徐々に確信が落ちて行く。
本来ならこの程度で妥協する筈も無いが、今まで俺が言った事に嘘は一つも無い。
違う世界云々は信じていなくとも、能力に付いては全て真実。
魔法を使えたという実績もシッカリと経験した為に、ルイズは俺が言った事を嘘と思い切れない。
魔法を使う感覚を覚えたと思い込んでも、『もしも使えなくなっていたら』と言う考えが心の中に湧き上がってくる。
そして、結局は疑い切れず、根負けしたルイズは大きく間を置いて妥協した。
「………………ベッドで寝ても良いわ」
「おっ、本当か?」
「ただし!! 私に指一本でも触れて見なさい。その時は『レビテーション』で空の彼方まで吹き飛ばしてあげるわ!」
「まぁ、ルイズが魔法を必要としない限りは触らないよ」
「約束よ!」
「はいはい」
今の性格は酷い物であっても、ルイズは正しく美少女。
常識的に考えて、手を出さない訳が無い。
尻を触って以来、ルイズの身体でも性欲を感じられると判明している。
実は今も部屋に篭った少女特有の匂いを感じて、陰茎は大きくなりつつあった。
「明かりを消すわよ」
「はいよ」
「それ以上近寄ったら――」
「分かってるって」
警戒する猫の様に威嚇してくる。
ベッドからもルイズの匂いが漂ってきており、シーツを顔まで掛ければ全身が少女の匂いに包まれた。
暗くなった部屋の中で性的な行為をするに、十分な成長をした男女が同じ所で寝る。
普段なら絶対に有り得ない事態に、ルイズの緊張は最高潮になっていた。
お互いが背を向けている為に見られていないが、顔色は尻を触られたと同じ位に赤面している。
心臓も破れそうな程に激しく脈打ち、念の為にと杖を持っている手にはじっとりと汗を掻く。
背中から聞こえる僅かな音でさえ、身体をピクンと反応させた。
しかし、そんな緊張感は長続きしない。
ルイズは召喚の日を迎える前日は不安で殆ど眠れなかった。
つまり二日続けて精神的な緊張を受け続けていた状態。
そんな疲れた状態にあっては、どんなに警戒心を持っていても自然と瞼は落ちてくる。
幾ら抵抗をしても、睡魔に勝てる筈は無かった。
「……すぅ~……すぅ~」
「もう、寝たのか……?」
程無くして微かに聞こえる寝息は、一定の間隔で繰り返される様になる。
肩越しにルイズを見やれば、肩は規則正しく上下に動いていた。
「よいしょっと……」
なるべくベッドを揺らさない様に身体を起こす。
ルイズには聞かれなかったので言わなかったが、魔力素には色々な効果がある。
『相手に魔法を使わせられる』他に、『体調を正確に知る』『怪我や病気であれば治す』。
そして、これが一番大事であり、最も必要な『深く魔力素を吸収させると相手の身体や意志を操れる』特性。
しかも、魔力素は普通に立っていても、本当に僅かに漏れた物が近くに居る人間へ吸収されてしまう。
魔法を使える様になるのは一定の量が必要だが一晩同じ部屋に居るだけで、少ない量でも一瞬の無意識ぐらいは簡単に操れる。
使い魔の性質上は一緒に行動する時が多いだろう。
つまりは尻を触らなくても、ルイズは将来的に思い通りの魔法が自在に使える様になるのだ。
そして、その頃には意志を思い通りに操り、好き勝手犯しているだろう。
しかし、それでは俺が美味しい思いをするのに時間が掛かり、不条理な八つ当たりに耐えなければならないかもしれない。
そんな事は願い下げ。
魔力素を使って嫌な事を避けられるのなら、使う事に躊躇は一切無い。
普段は口煩くヒステリー持ちと言えるルイズであっても、外見は素晴らしい程の美少女。
自分の思い通りに操れるなら、真っ先に候補へ上がる。
キスをして尻を触り、その上同じベッドで寝た事で、俺の興奮は右肩上がりで留まる事を知らない。
魔力素が微妙に残っているルイズは完全に眠り、更にそれがとても深い物だと特性が教えてくれた。
悪戯をするには持って来いの状況だ。
ジワジワとルイズに近寄る。
「くぅ~……くぅ~……」
「寝顔は可愛いよな。黙っていても可愛いけど」
若干の緊張から微妙に震える手で肩を掴む。
思った以上に小さく、嫌でもルイズが少女である事を教えられた。
ついでに魔力素を身体の中へ送り込んだ。
尻やら股間を触るよりも吸収されていく感覚が少なくとも、今は朝まで眠って貰えばそれで良い。
送り込んだ魔力素で睡眠を操り、多少の事では起きない様にする。
「よっと……」
横向きに寝ているルイズの肩を掴んで仰向けに変えた。
「うぅ~ん……」
体勢を変えられても呻くだけで起きはしない。
掛けられていたシーツを剥ぎ取り、下着姿を曝け出した。
ピンクの透けるキャミソールの下には、同じくピンク色の乳首がひっそりと息衝いている。
白いショーツに包まれている股間は、子供らしい肉厚の大陰唇が土手を作っていた。
手に持っている杖を取り上げてから、現状で操れる限界を調べる。
本当なら今すぐ犯したいが、明日ルイズが股間に痛みを感じてしまっては全てが台無しだ。
魔力素の使い方を知っていると言っても、それは簡単に言えば召喚された時の一瞬で説明書を無理矢理頭の中へ押し込められた感じである。
しかし、俺は『実際の体験に勝る確証は無い』と思っている性質なので、頭の中に入って来た説明に関しては試さないと気がすまない。
その良い機会が、最初の夜である今。
ルイズは疲れて警戒心も無く眠っており、更に魔力素で睡眠を深くしている。
軽く試す程度なら何の問題も無さそうだ。
能力の確認ついでに現状も知る事が出来て、性欲も美少女にぶつけられる。
今日という夜が素晴らしい物になりそうだと、既に陰茎が猛り立っていた。
「ルイズ、眠ったままで今着ている物を脱げ」
「くぅ~……くぅ~……」
命令をされたルイズは指を微かにピクピクと動かした程度で、他は何の変化も無い。
やはり魔力素を身体に送り始めた初日である為に、余り大きな動きさせられなかった。
指一本すら思い通りに出来ないのであれば、痛み等の感覚も制御出来そうに無く、痕跡が残らない様に犯すには時間が掛かりそうだ。
仮に欲望に耐え切れず入れたとしても、破瓜の痛みで飛び起きてしまうだろう。
その後は、きっと物理的に消される。
犯せない事に対しては元々期待もしていなかった分、落胆は少ない。
仕方が無く睡眠を維持させたままで、ルイズの身体を弄り回す程度に押さえる事にする。
「じゃ、脱ぎましょうね、ご主人様」
ルイズは起きている時には絶対に言わない様な言葉を掛けつつ、キャミソールを捲り上げる。
「ほう……、綺麗な身体だな」
魔法が使えなかった分は、知識で補おうとしていたルイズの肌は白い。
外に出ても只管魔法を唱え続け、走り回る事もなかった所為で日に焼ける事が無かったのだろう。
宿敵であるツェルプストーが褐色であるのも、嫌う原因かもしれないが……。
「う~ん、見た目よりは胸があるかも……?」
実際にルイズの平坦な胸に手をやってみると、思ったよりも柔らかい感触がある。
てっきり肋骨の手触りしかないと思っていた。
小さな胸へ上から被せる様に手を置き、少し力を入れて揉む。
指を曲げる程の大きさは無くても、形と柔らかさはちゃんと存在を主張していた。
手を下腹部方向へ下げ、乳首を擦る。
指の間に挟まった感触を受けてから挟むと、刺激で柔らかかった乳首が尖り始めた。
「んっ……」
規則正しかった寝息に吐息が混ざる。
性的な反応ではなく、乳首を擦られて反射的に出てしまったのだろう。
そのまま手を下へ持っていき、脇腹と骨盤を通ってショーツを下げる。
「やっぱり、まだ生えていないのか」
月の明かりに照らされた股間には陰毛が一本も無く、大陰唇が盛り上がりった中心にスジが通っているだけだった。
淫核も埋もれたままで姿が見えない。
ショーツを完全に脱がせてから、M字に足を広げても中心に走る筋は僅かに開く程度で留まった。
人差し指で突いて見れば、ぷにぷにと弾力を返してくる。
そして、スジを開くように動かし、膣口を曝け出させた。
「ふっ……ん……」
ルイズにとっては正真正銘、人生で始めて秘裂の中が外気に触れる。
キャミソール一枚で居ても寒くない季節であっても、流石に本能的な防衛本能が刺激された。
股間を触られる感覚から逃げる様に身体を動かそうとするが、足を固定して逃亡を防いだ。
「うぅ~ん……」
寝ていても自分の体勢を変えられない所為で、寝苦しそうな声を出すルイズ。
しかし、今回は犯せないのでこれ以上は進めない。
このまま愛撫を繰り返しても、挿入したい欲求が膨れ上がって危険だ。
襲ってしまう前に一旦身体を離し、ベッドの上で膝立ちにルイズを見下ろした。
「……流石、メインヒロインと言った所か」
眼下には無防備に全裸で眠っている美少女が、足を開いて性器を丸出しにされている。
卑猥な格好であるのは間違いないが、月明かりに照らされている所為で何処か神秘的にも見えてしまう。
入れられないと言うのなら嬲るだけだと、仰向けで寝ているルイズを横抱きにする格好で密着した。
背中の下から手を回して、胴体を抱く様に胸を触る。
残った手で陰茎を開放してから、サラサラの秘裂へ指を這わせた。
そして、ルイズの顔を俺の方へ向けさせ、小さく寝息が漏れている唇へ口付けをする。
「んむっ……」
硬い陰茎を太股に擦り付けつつも、小さな乳首を指で転がす。
開かれた足の中心にある秘裂を大陰唇ごと弄び、口内を陵辱していく。
まさに全身でルイズを味わう体勢で、性欲の餌食にする。
「んっ、はぁ、あむぁ……」
柔らかく小さい乳首は指の腹で転がして行けば、今度は性的な反応を含ませて硬く尖ってきた。
コリッとした感触を弄び、親指と人差し指で摘む。
「んむぅ!」
大陰唇の両側からスジを摘めば、圧力でスジを深くさせる。
そして指を秘裂に挿し込み、漏れ出した愛液を塗して行く。
ヌルヌルの体液を小陰唇に馴染ませる様に動かして、性器からも性的な快感を引き出す。
今はまだ包皮に護られている淫核を指先で引っ掻きながら刺激を送った。
「ひぅ! んぁ……ん」
身体の中で最も快楽を感じる淫核からの感覚を受けたルイズは、俺の口内へ悦声を漏らす。
今度は秘裂を人差し指と薬指で開き、真ん中の中指を興奮で厚くなった小陰唇で愛液を絡ませてから処女らしく狭く硬い膣口を探る。
愛液を漏らしているお陰で突っかかりはあるものの、指先すら入りそうに無い。
それでも近い内に陰茎を突き入れる為に、少しずつ異物に慣れさせる。
こうして性感帯を弄られ続けるルイズの身体は、徐々に快感を溜め込んでいく。
白かった肌には赤みが増し、合わせられている唇からは熱い吐息が漏れる。
ルイズが嫌う蛙の様に広がっている足もピクピクと震え、眼に見える反応が大きくなってきた。
太股の接触している陰茎も、カウパー液を漏れ出させて白い肌を汚す。
「んっ、あっ、んん」
口を塞がれている所為で聞こえてこない悦声も、乳首と秘裂を弄る程に大きくなる。
流れ出る愛液でヌチョヌチョと音が聞こえてくる頃になると、皮に護られていた淫核も顔を出していた。
柔らかい女性器の中で唯一固くなった箇所は触っている中でも目立ち、自然と集中的に弄り回してしまう。
「んむっ! んっ!」
触れば触る程にルイズの腰は上下に動き、自然と愛液も周囲に飛び散った。
「ひぅん、あっむ、んくぁ!」
腕の中に居る美少女が、自分の愛撫で全身を跳ねさせていると気分も盛り上がって来る。
カウパー液でヌルヌルになった太股で擦られた陰茎は、徐々に精液を溜めていく。
完全にルイズの身体を使ったオナニーになってしまっているものの、おかずに直接触れて匂いも感じられるお陰で、自分だけでやるのとは快感の度合いが圧倒的に違った。
「んむっ! んんっ!」
合わせている唇からは悦声と一緒に唾液が流れ出し、枕を濡らす。
全身から送られてくる快感は、絶頂間近まで押し上げられていた。
そしてルイズが一番の悦声を出して、腰を震わせると同時に潮を噴く。
「んんっ!!」
「おぉう!」
激しく揺れた太股に擦られた陰茎は絶頂の快楽を送り、精液を吐き出す。
カウパー液で汚れていても白くサラサラだった肌に、白濁した熱い体液が噴きかかった。
この世界で始めてした射精は昼にルイズの尻を触って溜まっていた所為か、量が心成しか多い気もする。
「うっ……はぁ……はぁ……」
「ふぅ……」
眠っていても絶頂の余韻で、表情が緩んでいるルイズ。
軽いブリッジの状態になった腰は、未だに少ない寮の愛液を噴出している。
弄っていた乳首もすっかり落ち着き、どれだけ摘んでも硬くはならない。
荒く息を吐き出す口は俺が口内を舐めていた所為で舌が半分食み出し、情けなくも卑猥な表情になっていた。
思ったよりも短い絶頂を経験したルイズの腰は、ベッドへ沈み込んで余韻に浸っているかの様だ。
とりあえず射精をした満足感を感じつつも身を起こして、後始末へと取り掛からないといけない。
流石に最初の夜に痕跡を残してしまうのは駄目だ。
ルイズの股間辺りを見てみると潮を噴いたベッドは濡れているが、大した量でもないので朝には乾いているだろう。
問題は太股に掛かった精液だ。
突然、召喚されてしまっているので、拭く物が何も無い
粘度が高く、ベッドへ落ちているのが少量であり、染みになっていないのが不幸中の幸いだが、ぼやぼやしていれば普通に落ちてくる。
「あぁ……、ルイズの着替えで拭いておくか」
俺の服は一着しかなく、当然の事ながら拭ける筈も無い。
その上にハンカチやティッシュも持っていないとなれば、選択肢は一つしかなかった。
洗濯用として置かれていた籠を漁り、使用済みのショーツを取り出す。
「明日ちゃんと洗うから良いよな」
聞いていない事を知っているが、言い訳が自然と出てしまった。
汚してしまう事に対しての、せめてもの償いとして唾液で汚れている顔と枕から股間とシーツまで拭ける所まで拭いてやる。
最後に精液を綺麗にしてショーツとキャミソールを着せれば、後始末は完了だ。
原作を知っている俺からすれば、ルイズは性的な事柄には疎いイメージがある。
性行為は知っていても、具体的に何がどうなれば子を孕むかどうかは知らない……と祈っておく。
そして精液の匂いは知らない筈。
少なくとも接点が無い。
逆に知っているとするなら、伝統を異常に気にするトリステインの貴族として問題だ。
ルイズぐらいの年齢での結婚が珍しくなくても、実際にするとなれば母であるカリーヌがまだ早いと止めるだろう。
公爵家の処女は、それ程までに貴重かつ重要なのだ。
そんな感じで、多少精液の匂いが残っていても大して気にはしないだろう。
「ん~、終わったかな?」
一先ず見える所は全て綺麗にした。
最後にルイズの身体に残っている魔力素を使って、簡単な暗示を掛けて今日という日を終える。
性的に満足出来たとは言えないが、楽しみを先に残しておくのも一興。
明日からは楽しい日々の始まりだと期待に胸を膨らませながら、襲ってきた心地良い疲労と眠気に身を任せた。
その2へ
その2
翌朝、目覚ましが無いが、差し込んでくる朝日の眩しさで眼が覚める。
「ん……んぁ~~……、もう朝か……」
見知らぬ天井に一瞬だけ戸惑ったが、直ぐに『ゼロの使い魔』の世界に召喚された事を思い出した。
寝ぼけたままで隣を見れば、メインヒロインの美少女が眠っている。
とりあえず仕事として起こさなければならない。
「お~い、起きろぉ」
「んん~……」
声を掛けながら肩を揺さぶってみれば、すやすやと平和に眠っていた表情が迷惑そうな物に変わる。
それでも揺さ振り続ければ、薄っすらと眼を明けた。
焦点の合っていない視線が俺の顔へ止まると、驚きながら後ずさる。
「だ、誰よあんた!?」
「自分が召喚した人間の事も忘れたのか?」
「あ、あぁ……そうだった。平民を召喚したんだった……」
改めて平民を召喚した事実に肩を落とすも、魔法も使えた事を思い出して、すぐにやる気が蘇った。
「服取って」
召使に用件を申し付ける口調で、命令をしてくるルイズ。
しかし、昨日の夜に掛けた暗示が効果を発揮するかが重要なので、俺が服を取る訳には行かない。
「いや、ルイズの方が近いんだから自分で選んで取ってくれよ」
「むっ、折角使用人らしい食事を用意させたのに、そんな事を言って良いのかしら?」
「食事すらまともに取れなかったら、俺の能力が消えるかもしれないけどな」
「ぐっ……」
「それ以前に、俺を使用人扱いして困るのはルイズだろう」
「……どう言う事よ」
「他から見れば召喚出来なくて平民を連れてきたと思われるぞ?」
「なっ! あんたが出てきたんだから、召喚も契約もちゃんと出来てるわよ!」
「でも、その場に居たクラスメイトですら平民を連れてきたとか言ってただろ」
「………………そうね」
「同じクラスの人間でもそう言うんだ。その時を見ていない他のクラスだったり違う学年だったら簡単に信じられるぞ」
「…………」
「『公爵家の肩書きを使って平民を使い魔にした』『それで落第を力尽くで回避させた』ってな」
「くぅ……」
事実ではなくとも公爵家の立場を乱用したと言われてしまっては、自分だけではなくヴァリエール家に迷惑が掛かる事は理解できている。
明晰な頭脳は、一度もまともに魔法が成功しなかった所為で、召喚が成功しても信じられないだろうと簡単に想像できた。
幾ら証人が居ても、実際に召喚された人物が居ても、地位の高さを妬む貴族は嬉々として名に傷が付く方向で攻め立ててくる。
そもそも、ルイズは決して馬鹿ではない。
切羽詰っておらず、逆上していない冷静な思考では、客観的な位置で物事を考えるだけの頭の良さを持っている。
それの足を引っ張っているのが『魔法を使える貴族としての固定概念』と『魔法を使えないプレッシャー』だ。
これらが無ければ、少なくとも望む物を貰う代償として、初対面の怪しい男に尻を触らせないだろう。
「だから、俺の事を使用人として扱うのは止めておいた方が言いと思うぞ?」
「じゃ、獣の使い魔の扱いをすれば良いじゃない!」
「そうじゃなくてだな……」
「だから何なのよ」
一見イライラした物言いだが、魔法を使えないコンプレックスを消して貰った恩がある事で、平民の話を聞く余裕が生まれていた。
「立場はともかく、使用人と思われなければ良い」
「……どういう事?」
「ルイズが今一番回避する必要があるのは、公爵家の肩書きを使って無理を通した事だ」
「そうね」
「この世界は普通の使用人だったら、主人に対して絶対服従が常識だろ? 平民なら尚更」
「平民の使用人が貴族に逆らうなんて命知らずの馬鹿ぐらいね」
「だから、俺はルイズの意見や要求に対して、適度に逆らったり文句を言ったりする」
「それじゃ、使用人じゃないわよ!」
「ほら、使用人じゃないと思われた」
「あっ……」
普通にしていた思考を改めて指摘されルイズは、ポカンと口を開ける。
「うむむ……」
「当たり前だけど、ルイズの立場や家の地位が悪くならない程度には従うよ」
「当然よ!」
「だからルイズも俺に対しては理不尽な事やら、八つ当たりはしないでくれよ」
「でも、使い魔って基本的には主人に絶対服従なのよ?」
「使い魔には出来る事しか命令し無いだろうよ。例えば水関係の使い魔に火を吹かせるとかしないだろ?」
「そんな事出来ないわよ」
「ルイズが命令する時は、使用人にさせる仕事以外の『人間の使い魔に出来る事』を命令すれば良いんだよ」
「……あんた、か、身体を、さ、ささ、触って魔法を使える様にさせる意外に何が出来るのよ」
ルイズは余程自分の身体に触れられる事実が恥ずかしい様だ。
しかし、俺に出来る事か……。
「……掃除に洗濯かな?」
「それじゃ、使用人と変わらないじゃないの!」
とまぁそんなこんなで紆余曲折の末、暇な時は仕事として洗濯と掃除をする事となった。
大して大変でも無いだろうと思うのと、暇を持て余してぼーっとしているだけでは時間の無駄でもあると考えた結果だ。
犯す対象をルイズだけに絞っていては、勿体無い。
この世界に来て真っ先に会ったメイドのシエスタに手を出すには、洗濯位の仕事をしていないと接点が持てない事も理由の一つ。
原作を思い出すに、サイトとの最初の会話が洗濯場であった筈。
ルイズの下着を洗いながら、下心を丸出しでシエスタに接点を持つ事になるのか。
「と言う訳で、服ぐらい自分で選んで自分で着てくれ」
「結局、服を出すのが嫌なだけじゃないの?」
「女の子のクローゼットを漁る趣味は無いよ」
「誰も見てないんだから、主人の命令ぐらい聞きなさいよ……」
ここまでルイズは透けるピンクのキャミソールに、ショーツ一枚の格好で会話をしていた。
流石に顔を向け合っている状態で、視線が薄く見えている乳首に行ってしまうと見られたと知られてしまう。
必死に視線を目に合わせておくのは、結構な精神力が要る作業だった。
葛藤を知らないルイズは、ぶつぶつ良いながらも自分で服を取りに良く。
俺と言えば魔力素の暗示が効いているのかどうかを観察しつつ、美少女の着替えを後ろから視姦するしかない。
着替えの為に自らの手で上げられていくキャミソールの下にある華奢な腰と肩は、日を浴びて綺麗な肌を浮かび上がらせる。
ショーツに包まれた小振りな尻は、左右に揺れながら情緒的な皺を作った。
そして最後の砦であった下着を下ろせば、一瞬だけ昨日散々弄り回した秘裂が見えた後、正真正銘の全裸になる。
後姿であっても幼い少女の裸は興奮を誘う。
プルプルと揺れる尻を見ていると、すぐにでも手を伸ばしたい欲求が襲って来る様だ。
そして、着替えを探すルイズは、態々奥の方からブラウスを取り出し着ていく。
少し窮屈そうに腕を通し、ショーツとスカートを履いてマントを付けると、俺の方へ振り返る。
「さ、朝食に行くわよ」
「お、おぉ」
「なによ?」
「何でもない」
クローゼットの奥から取り出したブラウスは、ルイズにとって少し小さめの物だった。
昨晩の俺が寝る間際に残った魔力素を使って無意識を操作されたルイズは、小さめのブラウスを身に付けていく。
暗示の効果は、『もう着られないブラウスを着てしまう』と言う物。
毎日同じ制服を着る行為は、何年もすれば殆ど無意識にしてしまう。
下着のキャミソールも着ていない所為で、胴体に張り付いた布の上からでも身体の線をハッキリと浮き上がらせている。
一番の注目は、やはり乳首。
興奮していなくても乳輪から盛り上がり、先端の膨らみまで見て取れた。
暗示で操作されたルイズは普通に着替えたと思い込んでおり、乳首が浮き上がっていても恥ずかしがる素振りが全く無い。
かなり軽い洗脳なので、誰かに言われればあっさりと気が付いてしまうだろう。
それ故に、俺が指摘する訳には行かない。
「ん? 何か変な匂いがするわね……」
「行かないのか?」
「行くわよ!」
廊下に出る際に漂っていた僅かな精液の匂いに眉を顰めるが、ルイズは正体が分からずに気にする事無く外へ出た。
二人揃って部屋の外へ出ると、図った様に斜め向かいのドアが開く。
中からは長く燃える様な赤い髪を持ち、制服のボタンを大きく開いて胸の谷間を誇示した生徒が出てきた。
見るからにブラジャーを着けていないのに、ルイズの様に乳首が浮いていない。
「おはよう。ルイズ」
「おはよう。キュルケ」
言わずと知れた<キュルケ・(略)・ツェルプストー>その人である。
原作では意外にルイズの事を気に掛けているが、代々の宿敵である為に険悪ではない程度に仲は悪い。
しかし、顔を顰めて嫌そうにしながらも普通に挨拶を交わしている所は、お互いの微妙に可愛いポイントではなかろうか。
本当に、救えない程に仲が悪ければ、視線すら合わせない。
キュルケは俺の姿に気が付くと馬鹿にした様な雰囲気で言葉を続けようとして、再びルイズへ眼を向けて服装に驚いた。
所謂、二度見である。
「ル、ルイズ、あんた何て格好してるの!?」
「何がよ……?」
てっきり使い魔が人間である事を言われると思っていたルイズは、突然話の矛先が自分へ向いた事に不審気な視線をキュルケに送った。
「ブラウスよ!」
「だから一体……っ!!?」
余りにも必死な言葉に身体を見下ろしたルイズは、自分がどんな格好をしているのかを始めて知る。
小さめのブラウスから浮かび上がる、慎ましくも膨らむ胸の頂点で存在を主張している乳首。
誰がどう見ても見間違う筈も無い程にハッキリと形を見せていた。
そんな状態を理解しても、混乱するルイズの頭脳は恥ずかしがって胸を隠すよりも、ツェルプストーに舐められてはいけないとの考えが上回る。
「ちょっ、ちょっと他の服が無かっただけよ」
「…………」
いくら気丈に振舞い、逆に胸を張っていても、羞恥で赤面している顔は内心を隠しきれていない。
当然、キュルケも嘘と分かってはいるが、自分が言っても家名のプライドが邪魔をして聞き入れられないと判断した。
若干、引いた雰囲気を隠さずに居ると、流石にルイズも羞恥心が徐々に蘇り、そっとマントを胸の前で留る。
「そ、それにしても本当に人間を使い魔にしたのね」
「うるさいわね」
浮かび上がっていた乳首を隠したのを見たキュルケは、露骨に話題を変えた。
未だに顔を赤くしているルイズも乗り、仲が良いのか悪いのか良く分からない会話がされる。
その後はキュルケの使い魔であるサラマンダーに驚いたり、羨ましがったりで、少なくともお互いの自己紹介は出来た。
若干、不自然な空気に耐え切れなくなったキュルケは、逃げる様に去って行く。
微妙な雰囲気の中で残される俺とルイズ。
「所で……」
「なによ」
「腹が減ったんだけど……」
「私もよ!」
女の子の会話は激しいなと思いながら、ぼーっとしていても腹は減る。
ルイズに声を掛けたのだが、やはりイライラが溜まっている声で返された。
「落ち着けよ。俺が居れば魔法は思い通りに使えるんだし」
「……ふぅ。……あんたのご飯は使用人の物と同じなのを用意させてるわ」
「それは有り難い」
「本当に感謝しなさいよ」
「異世界で屋根があって安心出来る所で寝れて、食事もまともだったら文句は言えないよ」
「それなら私が着たブラウスの事を言いなさいよ!」
何やらルイズの怒りが再燃してしまった。
「自分で選んだんだろ」
「うぐっ!」
適当に怒りを捌きながら俺は通りすがりのメイドに厨房へ案内をして貰い、ルイズは着替えずにマントで胸を隠したままで食堂へ向かう。
「どうせ一緒に教室へ行くんだから、終わったら近くで待ってなさいよ」
「分かったよ」
メイドに連れられて厨房へ入ると忙しそうに働いている料理人が居り、人間の使い魔と言う事で珍しがられたが、大したイベントも無く朝食を頂く。
賄い飯であっても使っている材料は貴族に出す物と同じで、その味は元居た世界でも食べた事がない程に美味い。
勢い良く食べていれば、何故か調理長のマルトーに同情をされてしまう。
ちなみにシエスタには会えなかった。
△
食事を済ませ、指定の場所で待っているとルイズが遣って来た。
マントを普通に肩で止めていても、乳首が浮き上がっていない所を見るに、どうやら着替えて来た様だ。
「サッサと行くわよ」
「おぅ」
いかにもファンタジーっぽい石造りの講堂みたいな教室へ入ると、先に中に居た生徒達は一斉にルイズを見る。
その視線は後ろを歩いていた俺に集まり、すぐにクスクスと笑い声に変わった。
調子付いた男子生徒から馬鹿にされてしまうも、魔法を使えると言う事実はルイズに余裕をもたらす。
いつもなら売り言葉に買い言葉で言い合いになる筈だが、そうはならなかった。
「貴族なら、もう少し気品という物を学んだ方が良いんじゃないかしら?」
「なっ!?」
「ゼロの癖に!」
からかった男子生徒は、ルイズの予想外の反応に戸惑ってしまう。
しかし、即座に馬鹿にされた事を理解して、身を乗り出していつも使っている渾名を口にした。
肝心のルイズは見た目は余裕たっぷりに自分の席へ付くと、持っていた教材を出して授業へ備える。
「俺は何処に座れば良いんだ?」
「使い魔なんだから、床に座ってなさい」
「む……、まぁ、良いか」
「えっ、良いの?」
すんなり床に座る事を承諾した事に、眼を丸くするルイズ。
机の下へ潜り込む俺を眼で追い、何かを言い出そうとした時に教室のドアが開かれて教師が入って来た。
ルイズは慌てて視線を戻して姿勢を正す。
下は石で固いのだが、それに眼を瞑っても机の下に潜り込みたい。
目的は勿論、ルイズの下半身だ。
ストッキングを履いていない生の足を間近で見るチャンス。
昨日の夜は上の方をじっくり見ていたので、足は精々陰茎を擦り付けた程度。
丁度良い機会なので、視姦出来るだけ視姦してやろう。
「あら、ミス・ヴァリエール」
「は、はい!」
「変わった使い魔を召喚したと聞きましたが?」
「あっ、机の下に座らせています」
慌てて答えたルイズの言葉に、男子生徒は再び馬鹿にする声を投げ掛けてきた。
「平民を連れて来たのが恥ずかしいなら、最初から連れてくるなよ。ゼロのルイズ!」
「そうだそうだ!」
「ちゃんと召喚したわよ! それで出てきたのが偶々こいつだっただけよ!」
教室に入って来た時に聞いた声が切欠に、揶揄する声が追随する。
一見、ルイズも平静に反論をしている様に見えたが、机の下から見える手は悔しそうに握り締められていた。
そのまま生徒の野次が酷くなるかと思いきや、教師が止めに入り、やっと授業が始まる。
しかし、机の下に居る所為で内容が全く分からない。
真面目に授業を聞いているルイズの足は最初こそピッタリと膝を付けていたが、時間が進むに連れて徐々に開いてきた。
日焼けしていない肌は影に入っていても白く綺麗なまま。
本当なら触ってみたいが、魔力素の洗脳が解かれている状態では流石に触れない。
気付かれない様にゆっくりと正面に回って、スカートの奥を覗き込む。
影に隠れる白い布は、下腹部を包み込んでいる。
座っている体勢は秘裂が椅子に接触している為に、大陰唇の膨らみは見えなかった。
足は見れても触れず、ショーツを覗いても肝心の部分が見えない。
これは床に座ったのが失敗したかと後悔していると、ルイズが錬金の実演に指名された。
「触ってやろうか?」
「結構よ。ビシッと成功させるから見てなさい」
立ち上がったルイズにこっそりと声を掛けるが、自信満々に拒否される。
やはり一度使えた事が自信に繋がっている様だ。
教卓に向かう後ろ姿を、机から覗いて追う。
緊張をしているルイズを宥める様にアドバイスをした教師の言葉に頷いて返す。
生徒達が退避する中で、遂に呪文を唱えた。
「錬金!」
言い切った瞬間に目標だった石から眩い光が放たれる。
そして、後から爆発音と共に爆風が教室内を駆け巡った。
あちこちから出される悲鳴と、舞い上がった砂煙。
しばらくすると風が通り、辺りの光景が見え始める。
爆心地だった教卓の前には煤塗れで気絶した教師と、ボロボロの服になったルイズが立っていた。
「……今日は調子が悪いわね」
「今日『は』じゃないだろ!」
「今日『も』だろ! ゼロのルイズ!」
爆発による被害を受けた生徒達が一斉に罵倒をしているが、ルイズの格好には気が付いていないのだろうか?
ボロボロになっている制服は所々破れており、少し動けば上は乳首が、下はショーツが見えそうだ。
しかし、自分の過去を思い浮かべれば、この年代は性的な事よりも相手をからかったりする事の方が楽しかったりする。
きっとルイズのボロボロの服にも気が付いてはいるが、そこまで意識が向いていないのだろう。
そして、大人になって後悔するのだ。
やれ『あの時、もっと注意深く見ていれば』、やれ『もっと近くに居れば』と……。
もっとも、この世界は貴族が強いので、その気になれば平民の美人を好き勝手に犯せるからルイズには性的な視線を向けないのかもしれないな。
何にせよ、勿体無い事この上ない。
△
目を覚ました教師に罰として片付けを言い渡されたルイズは、粛々と箒片手に床を掃いている。
他の生徒達が誰も居ない中で二人きりの作業。
「なぁ、ルイズ」
「……何よ」
随分と機嫌が悪そうな答えが返ってきた。
「魔法を使って片付ければ良いんじゃないか?」
「……そんな魔法無いわよ」
この世界の魔法はコモンマジックに火、土、水、風の四種と伝説の虚無、それ以外は全て先住魔法と一括りにしている為に、融通が利かないと思い込んでいる。
これがルイズが魔法を使えないと思い込んでいる要因でもあった。
しかし、俺はそんな固定概念は持っていない。
「俺が居た世界では、魔法って言うのは何でもありだったんだよ」
「はぁ?」
「まぁ、聞きなさいよ」
「…………」
胡散臭そうな表情で聞き返してきたが、一先ず聞かせる事を優先させた。
「でな、生活に関わる魔法も一杯考えられてるんだよな」
「あんたの世界は魔法が無かったんじゃないの?」
「無いよ。だけど物語の中では、それこそ世界を破壊する魔法から、髪を整える魔法まで多岐に渡って想像されたんだ」
「ふ~ん……?」
「だからな、この教室を元に戻す魔法も使えるんじゃないかと思ってね」
「だから、そんなのは無いって言ってるじゃない!」
「ルイズ、魔法とは想像の産物だ。だからお前の頭の中に浮かんだ物が、俺の魔力素を使えば実際に出来るんだよ」
「…………」
「短い付き合いだけど、魔法に関しては俺を信じてみろ」
「それは…………、何処を触らせれば良いわけ?」
「まぁ、言うなれば全身……かな?」
「うぅ……」
実績と言うのは何にも変えがたい信用となる。
今まで俺が言った事は全て事実である為に、かなり悩んだ様だが結局はルイズが折れた。
しかし、身体を触る程度で、一々こんなに説得しないといけないのは面倒極まりない。
魔力素の浸透率はルイズが信じると言ったお陰で上がった事だし、ここは魔法を使わせるよりも思考操作をする方へ重点を置こう。
「んじゃ、触るぞ」
「……えぇ、良いわ」
念の為に許可を貰ってから、ルイズの後ろから抱き付いた。
「っ!!」
「もう少し受け入れた方が魔力素は効率良く吸収されるぞ?」
「分かってるわよ!」
行き成り胸を触っては貧乳のコンプレックスと合わさって暴れられるかもしれないので、一先ず肋骨の下から腹に
掛けて撫でていく。
本当なら貴族の淑女が男、しかも平民に身体を触られる等持っての他。
ルイズは魔法を使える様になるという一点のみで、自分の身体を弄ぶ平民を弾き飛ばしたい衝動を抑えていた。
なまじ、実際に魔法が使える様になった物だから抵抗らしい抵抗も出来ない。
「うぅ……」
屈辱で唸るルイズの全身を包み込む様に抱き締めているお陰で、魔力素は今まで以上に流し込められているのを感じる。
単に送り込むのではなく、本人の性格が大幅に変わらない程度に常識を変更していく。
真っ先に変えるのは身体を触られる拒否感を、魔法を使える事実よりも下に思わせる事。
あくまで羞恥心を残しておくのも重要だ。
こうしておけばルイズは恥ずかしがりつつも、魔法を使う為に身体を触らせる。
「くぅ……」
価値観を徐々に替えられていると気が付かないルイズは羞恥と屈辱、そして平民に身体を触らせないと魔法も使えない自分に怒りを湛えていた。
我慢をしなければいけないとの相反する心は身体にも現れており、ぷるぷると身体を小さく震わせている。
このまま感情を押さえ込んでしまっては暴発してしまうのは想像が付くものの、激情はルイズの魔力の供給源である。
完全に押さえ込んでしまうのも問題だが、放置して被害を受けるのも問題だ。
仕方が無く、『使い魔に身体を触られるのは当然』と常識を新たに植えつける。
洗脳する魔力素は使う端から供給してるから問題は無い。
だが、今回はここまでだ。
余り一度に洗脳の深度を深めてしまうと、対象に重大な後遺症が出るかもしれない。
これは刻み付けられた説明書に書いてあった。
「くっ……」
軽い洗脳の効果はすぐに出て来て、強張っていたルイズの身体から心成しか力が抜けた気がする。
それでも完全に身を任せた状態でもないので、相変わらず強張りは残ったままだ。
最初よりは緊張も解けたと思い、腹を撫でていた手を胸へ持って行った。
ボロボロのブラウスから、僅かに膨らんだ下乳を持ち上げる様に触る。
「うぅっ!!」
寝ている時に弄り回しても特殊な興奮があるものの、やはり触った時に反応が返って来るのは良い。
産毛を撫でる様に指を這わせつつ、胸の頂点にある乳首へ到達する。
「ひぅん!」
大きめな悲鳴と共に、大きく身体を震わせて反応を返すルイズ。
肌の表面を撫でていたお陰で鳥肌が立った乳首は、若干硬さを増す。
指が持つ引っ掛かりで弾く度に、腕の中で硬くなっている身体はピクンと跳ねる。
残った突き飛ばしたい欲求を力尽くで押さえ込んでいる為、ルイズの柔らかい尻にも力が込められていた。
背中から抱き付いている所為で、力を入れられた尻に硬くなった陰茎が挟まってしまう。
しかし、当のルイズは身体を弄られる羞恥に精一杯で、その事に気付く余裕が無い。
時間が経つに連れて洗脳も進んできた事を感じ、次の段階に進む事にした。
尻に挟んでいた陰茎をズボンから取り出して、外へ開放する。
「ルイズ、ちょっと手を借りるぞ」
「へぁ!?」
握り締められていたルイズの手を取り、陰茎を握らせる。
「あ、熱い?」
力を込められていた拳を解かれ、何やら熱く、言い様の無い弾力に疑問を感じて思わず視線を手の方へ向けた。
「……って何よこれ!?」
「俺がルイズを触るんじゃなくて、ルイズが俺に触っても魔力素は供給出来るからな」
手に握らされた陰茎に驚愕していたルイズに、何処か的外れな答えを言っておいた。
だが、嘘は言っていない。
「そうじゃなくて!!」
「ん? 使い魔に触るのは変な事でも無いだろ?」
「うぇ……? そ、そうだけど」
洗脳で変えられた常識を突かれたルイズは思わず言葉を詰まらせた。
元々、持っている性的な知識は正しく乙女の様に少なく、手の中にある陰茎と男の性欲に関して甘く見ている節がある。
更に使い魔と触れ合う事に関して肯定的な認識を持たされ、普通なら身の危険を感じて絶叫物の事態になっても、逃げ出す素振りすらない。
「これを握って前後に動かしてくれ」
「う……こ、こう?」
「そうそう」
魔法の事となると信用するルイズは、言われた通りに陰茎を擦り始めた。
小さく女の子らしい手は少し冷たく、熱く猛り切った陰茎に新たな刺激となる。
血管が受け出ている上に、ピクピクと動く姿にルイズの視線は吸い付けられたままだ。
美少女の身体を弄りながら、本人に手扱きをさせながら熱い視線を陰茎に注がれている。
その全てが興奮となり、直接犯さなくても絶頂へと一気に上って行く。
「ふっん、……あっ、何か出てきたけど……?」
「あぁ、も、もう少し強く速くしてくれ」
「ぁう、えぇ、分かったわ」
鈴口からカウパー液が漏れで来るが、ルイズ自身も秘裂を触られていなくとも悦声が漏れ出している。
乳首は完全に硬くなり、摘み易くなった。
小さな胸も心成しか、張って大きさを増した感じもある。
ルイズの手を取って陰茎を擦らせる速度を速くして行き、絶頂を目指す。
多くなったカウパー液が絡まり、ねちょねちょと音が聞こえてきた。
「あっ、こ、こんなに速くて良いの?」
「あぁ、も、もうすぐだからな」
「へっ? な、何が!?」
「うくっ、出る!」
「えっ!?」
そして細い指がカリに掛かり、最後の一押しとなった刺激で絶頂へ達する。
切羽詰った物言いに疑問を感じたルイズの手の中で、陰茎から精液が吐き出された。
「ひゃっ!?」
「うぅっ!」
突然出てきた白い体液に驚くものの、手を固定されている所為で離せない。
断続的に汚されて行く光景に、ルイズは絶句してしまった。
「な、何よこれ!?」
「それも魔力素の一種でもあるよ」
「こ、これが?」
白く細い指を、栗の花の匂いを放つ白濁した体液が流れ落ちる。
魔力素と言われ、殆ど無意識に手の中で精液を弄ぶルイズ。
「何か粘々するけど……?」
折角、洗脳を施している事だし、精液に対しても嫌悪を感じない様に誘導しておく。
「でも『それを身体に浴びれば魔法を使える』ぞ?」
「……ホントに?」
「魔法に付いては、嘘は言わないよ」
「そうだったわね」
あっさりと信じたルイズは精液を白い腹へ擦り付けた。
過去の実績と洗脳が合わされば、多少怪しい言い分でも信じられる。
精液が魔力素でもあるのは間違いないので、嘘も言っていない。
そもそも、俺の身体から出る物なら、意思一つでどんな物にも魔力素を宿らせる事が出来る。
「まっ、そんなもんだろう」
「えっ!?」
俺だけが満足した状態で身体を話すと、ルイズが声を上げた。
「何だ?」
「いえ……、その……」
何やら股間をもじもじとさせて、言い淀んだ。
散々乳首を弄られたルイズの身体には、快感が溜まっている。
それを開放しないままで身体を離されては、性的な欲求が満たされない。
ルイズは気が付いていないが、悶々とした期待が確かにあった。
しかし、身体を離されてこれ以上の性的な刺激は受けられないと理解し、思わず残念そうな声が出てしまったのだ。
ここで茶化しても、ルイズの性格からして維持を張るに違いない。
洗脳しても根本を変えた訳でもないので、一々指摘して心の壁を復活させる事も無いだろう。
「じゃ、次は思い描いた効果が出る魔法をイメージするんだ」
「本当にそんなの出来るのかしら?」
「ルイズが自分の力を信じないと、どうしようもないぞ」
「……そうよね」
「眼を閉じて、身体の中にある魔力素を感じるんだ」
「えぇ」
「そこから魔法が実際に効果を発動してる場面を思い浮かべながら唱える」
十分に息を整えた後、カッと眼を開いて魔法の名前を叫んだ。
「…………『修復』!」
魔力素を含んだ魔法は一気に教室中へ広がり、壊れた物、汚れた物を綺麗にしていく。
光を纏いながら物が移動する様は、魔法らしい幻想的な光景だった。
十分に元の光景に戻ったのを見たルイズは、杖を前に出していた体勢を解いて息を落ち着かせる。
「ふぅ…………」
「出来たな」
「えぇ……、出来たわ」
何処か力の抜けた声で答えるルイズ。
アレだけ必死に練習したにも拘らず成功しなかった魔法。
それが使い魔に身体を触らせるだけで使える様になった事で、少し遣り切れない気持ちがルイズの心を巡っていた。
「まだ、魔力素は残ってるだろうから、ある程度はまだ使えるかもな」
「…………」
「どうした?」
「……何でも無いわよ」
「ふ~ん……」
動き出さないルイズはその場で感傷深く頷き、自分の中で気持ちを落ち着ける。
「さて、ご飯にしましょうか」
「おう」
一応返事をしてしまったが、食事をする場所は違う。
何故か晴れ晴れしたルイズと別れた俺は、朝食を取った時と同じ場所へ向かった。
キッチンで忙しなく動いているマルトーへ声を掛けて、昼食を催促する。
「こんちわ~」
「おぉ、お前か」
「昼飯を下さいな」
「おう、ちょっとそこで待ってろ」
「はいはい」
言われた通りに、少し離れたテーブルへ向かうと、そこには見覚えのある黒髪が食事をしていた。
近付いた俺の姿に気が付き、ふと顔を上げてこちらを向く。
「あれ? 貴方はミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」
「そうだよ。召喚された時に最初に見た顔だね」
お互いの自己紹介を済ませた後は、同じ黒髪は珍しいとの事で話が弾んだ。
「へぇ、シエスタのお爺さんは俺と同じ様な名前の並びなんだ」
「そうなんですよ。結構珍しいですよね」
「じゃ、俺と同じ様に東方から来たって事かな?」
「そうかもしれません」
どうせ異世界から来たと言っても、出身を誤魔化されたと思われるだろうから最初から東方から来たと言って置いた。
会話をしつつも、漏れ出している魔力素を操ってシエスタへ送る。
効果が低い今は、貴重なタイミングを逃す訳には行かない。
そうして一先ず接点を持ち、同じ様な年齢と言う事も手伝って比較的仲が良くなった気がする。
昼食も食べ終り、シエスタは貴族達のデザートを配る時間になった。
暇潰しがてらに手伝おうとしたものの、始めは遠慮をしていたシエスタ。
少しでも魔力素を吸収させておこうと何とか言い包めて、ケーキの乗ったプレートを受け取った。
外に出れば貴族が青空の下で思い思いの話題を楽しんでいる。
例外も無くルイズの姿も見えるも、案の定一人だった。
そのまま視線を巡らせれば、一段と臭い言い分で他の男子生徒の、誰と付き合っているのかという追及を交している少年が目に入る。
例によってギーシュだ。
その足元を見ると香水のビンを発見した。
これが原因で決闘騒ぎになるが、出来れば面倒な事は避けたいと思う。
かと言って、放って置いてはメイドの誰かが拾って騒ぎにもなりかねない。
仕方が無くデザートを運ぶついでに接近して、誰にも知られない様に香水のビンを草むらに蹴り込んでおいた。
地面すれすれを飛んだビンは、音も無く茂みに姿を消す。
これで平和な午後が過ごせると安心して、ルイズの元へデザートを運んだ。
「あっ、あんた! 何してんの!?」
「暇だからデザートを配ってるんだよ」
「だったら、洗濯とかしなさいよ!」
「ごもっとも」
△
それから数日経った。
四六時中ルイズを同じ場所に居る事で魔力素の汚染は進み、今では就寝中なら比較的思い通りに身体を操れる段階までになる。
使い魔としての信頼も着々と積み上げた。
授業においてもルイズは魔法を成功させる様になり、周囲は『使い魔を召喚してから、ゼロのルイズが魔法を使える様になった』と大騒ぎ。
周囲の反応が徐々に公爵家の娘として正しい扱いになって行く。
それに伴い、今まで裏で表で『ゼロ』と貶していた男子達が掌を返した様に近寄ってきた。
前の態度をシッカリと覚えているルイズは、心底幻滅した態度を隠さない。
結局はルイズの周囲に集まっていた生徒は徐々に消えて行き、魔法が使えなかった時と同じ様に孤立してしまう。
しかし、平民に取っては貴族である時点で上の存在である為、仕事の為に仕える態度は変わらない。
その所為でルイズはメイド達に対して良い印象を持ち、眼に見えて態度が柔らかくなった。
いつもなら些細な失敗でも当り散らす事もあったが、今は落ち着きを手に入れて余程酷い態度では無い限り、諭す程度で終わらせる。
もう一つの変化と言えば、タバサの視線が頻繁に向けられてくる様になった事。
これは近い内に接触してくるかもしれない。
そんな変化もあって、俺は今日もルイズの洗濯物を洗っている。
「大分上手くなりましたね」
「そうか?」
「最初の頃よりは汚れも落ちてますよ」
「有難う」
隣に居るシエスタに褒められながら、ザブザブと水仕事に励んでいる。
魔力素を操る力も格段に上がり、密度を濃く出来る様になった事で汚染も短い時間で深く出来た。
眼の光が少しだけ曇った気がするシエスタは、大きな胸を揺らしながら同じ様に洗濯に励む。
適度に会話を楽しみつつ、交流と魔力素の汚染を深めて行った。
洗濯物も洗い終わり、青空の下で風に揺れる衣類を眺めながら小休憩を取る。
隣に居るシエスタの横顔をチラリと見てみるが、やはり何処か不自然な笑顔が張り付いていた。
魔力素から感じられる体調に変化は無いものの、多少の精神的な不具合がある。
しかし、これは数日安静にすれば元に戻る程度。
丁度良い機会であるし、この程度でどれぐらい意志を操れるか試しておくか。
「シエスタ」
「はい?」
名前を呼ばれて俺の方へ顔を向ける。
「ちょっと、胸を見せてくれないか?」
「えぇ、良いですよ? ちょっと待ってくださいね」
そう言ってメイド服のボタンを外して行くシエスタ。
思った以上にあっさりと承諾された事に驚いた。
「良いのか?」
「良いですよ?」
指示をした事で眼に宿っていた光が完全に無くなり、メイド服をガバッと大きく開く。
ルイズの様に服を下ろせば見える程度の大きさではない所為で、開いた襟元から手を差し込んで引きずり出した。
たぷんと幻聴が聞こえるような揺れをした後、日中の野外で巨乳が現れる。
「どうぞ」
「お、おぅ」
胸の付け根の下にメイド服の襟が潜り込み、コルセットを少し上の方で付けた様に強調され、両方からも締め付けを受けているので、前へ突き出す形になっていた。
向けられる乳首は少し茶色をしており、言うなれば日本人の血を引いていると思わせる色。
生地が厚いメイド服を着ている所為で日を受けない胸は、全体的に白く透き通り、よく見れば青い血管が薄く見えた。
「揉んで良いか?」
「勿論です」
思わず聞いてしまった言葉にもシエスタは快く答えた。
「では、お言葉に甘えて……」
「んっ……」
そして、美乳に手を伸ばして下から支えてみれば、触れた瞬間にたぷんと揺れる。
視界から送られる興奮は、申し分ない。
下から触っていた両手を肌に接触させたままで胸の真横に持っていき、親指で乳首をくりくりと捏ね回した。
サラサラで一切弛みが無く、少し力を入れただけで形を変えてしまう。
「はぅ……」
胸を触られる事を好意的に受けたシエスタは、吐息を漏らした。
ルイズでは絶対に味わえない心地良い感触に、手は一層激しく動く。
真正面から鷲掴みにして、パン生地を捏ねる様に思う存分指を動かす。
「あぅ」
「痛かったか?」
「大丈夫です」
苦痛の声でハッとし、シエスタの顔を見ると何処か慈愛を含めていそうな表情をしていた。
これで目に光があれば、愛おしい子供を甘えさせている場面と言われても……信じられないと思う。
少女と言える年齢の女の子が、男に胸を触らせている時点で慈愛とは程遠いが……。
何にせよ、なるべくシエスタに痛みを与えない様に、手を動かして胸を楽しんでく。
「んふっ……」
掌の中心にあった乳首の感触が、徐々に硬く変化してくるのが分かる。
それと同じ様にシエスタの顔色も赤くなり、性的な興奮を溜め込んでいる様子が見て取れた。
手を一旦離し、今度は乳首へ吸い付く。
「はぅん!」
口へ含んだ瞬間に身体を大きく跳ねさせるシエスタ。
悦声も大きく、下手をすれば誰かに聞かれそうだった。
「んっ、シエスタ、あんまり声を出したら誰かに聞かれるぞ」
「あっ、ご、御免なさい」
人目に付くかもしれないと注意を受けて落ち込んでも、胸は曝け出したままで隠そうとしない。
余り時間を掛けていると、他のメイドや授業が終わった貴族が出てきそうなので早々に次へ移るとする。
「次はそこの壁に手を付いて腰を突き出してくれ」
(以下は体験版用の展開です)
「ほ、本当にそんなポーズをするんですか?」
「……あぁ、してくれ」
今まで魔力素の効果で従順に従っていたシエスタが聞き返してくる。
羞恥に顔を染めて目に光が無いのは変わらないものの、反応は正気に戻りつつありそうな感じだった。
「でも、は、恥ずかしいです」
手を身体の前でもじもじとさせ、上目遣いで言ってくる様子は明らかに魔力素で洗脳された状態から逸脱した答え。
効力が消えたのかもしれないが、このまま押し込んで行けば従いそうだ。
「早くしないと、他の貴族に見つかって犯されるかも知れないぞ?」
「えっ!? ……そ、その時は護ってくれますか?」
自分で想像してしまったのか、羞恥から一転した顔色は青くなる。
怯えながらも保護を求める姿は、護ってやりたい気持ちを刺激して止まない。
「あぁ、護ってやるよ」
俺の言葉を聞いて心底安心した雰囲気を出して微笑む。
しかし、シエスタの変化は、すぐに違う物へと変化した。
「『だが、断る』」
「何ィ!?」
つい先程まで浮かべていた儚い笑顔が消え失せ、鋭い視線を向けて来るシエスタ。
余りにも激しい変化で戸惑うしかない。
そんな動揺を余所に、シエスタ(?)は言葉を続ける。
「この私が最も好きな事の一つは、『自分の思い通りになると思っている人間にNOと言ってやる事』よ……」
そう言い切り、一般人とは思えない跳躍力で近くにあった塀へと飛び乗った。
そして、腰を横に捻りって上半身は軽く反らせ、片手で顔を覆う。
ビシッと音が聞こえる様に機敏な動きでポーズを決めた。
「糸口を……見つけていないの?」
「糸口……?」
指の間から見える何処か見覚えのある目。
当然の事ながらシエスタの優しそうな雰囲気は無くなり、意志が強そうな物に変化していた。
しかし、変わったのは目だけではなく、着ている服は勿論の事、身長や髪の長さ、あまつさえ声まで変わっている。
丸出しだった胸は現代風のシャツを着ている所為で隠され、下半身はスカートではなく細身のジーンズ。
スラッとした長身でプロポーションも、かなり良かった。
外見は完全の大人の女性で、その姿に懐かしい雰囲気が感じられる。
「思い出した……」
「どこまで?」
「いや、確か前にもこんな事があったような気がする……」
「…………」
そんな俺の様子に落胆をしたのか、決めていたポーズを解いて普通に正面から向かい合う形となる。
「だけど……」
「……?」
「何処か懐かしい感じを受ける。何処かで会った様な……」
「その調子で思い出して……、世界は貴方を助けてくれるから」
「ど、どういう意味……っ!?」
女の言葉に疑問を感じ、頭を上げた瞬間に周りの光景も一変する。
それまで異世界らしく石の建物で囲われていた場所だったのが、今は長閑な田舎の村になっていた。
どう見ても日本の原風景で、近くには小さな川が流れ、水車が音を立てて回る。
合掌造りのかやぶき屋根を持つ家屋が少数立ち並ぶ光景は、忘れていた帰省本能が沸いてくる様だ。
「これは……見た事がある?」
「そう、貴方は忘れているだけ」
「忘れている?」
「だけど、ここまで思い出せればもうすぐよ」
もはやシエスタが変わってしまった事など頭に無い。
変わった風景に、懐かしくも見覚えのある女。
しかし、考えを巡らせる時間は無くなっていった。
「そろそろ、体験版主人公には退場願いましょうか」
「何だって……?」
「貴方の出番はここまでよ」
「ちょっと待ってくれ! もうすぐ思い出せそうなんだ!」
「駄目よ」
重要な事を忘れてしまっている事を実感した喪失感を胸に、どれだけ訴えかけても女は良しとしない。
「次は、名前を思い出してね」
「待っ――」
俺が言葉を言い切り前に、女は手を一度だけ叩いた。
パンと軽い音が辺りに響いた瞬間、全てが0と1の数字となって崩れていく。
遂には足の裏に感じていた地面の感触まで消えてしまい、重力に従って落ちる。
慌てて女の方を見ても、既に姿が見えない程に遠ざかっていた。
何も出来る事が無い状態で、数字すらも消えてしまうまで自由落下を経験した後、唐突に光が差し込んでくる。
自分の身体が落ちているのにも拘らず、目の前にある光は空中に固定されているかの様に動かない。
風の抵抗で上手く動かない手足を駆使し、何とか目的の場所まで到達すると身体を滑り込ませた。
そして、ガラスが割れたと思える高い音が聞こえ、またもや光景が一変する。
足の裏に感じる硬い確かな感触に視線を下せば、立っている場所が屋根と分かった。
屋根と言ってもからぶき屋根ではなく、一昔前の古い建物の物。
辺りに視線を流してみれば、夕暮れが過ぎた直後の様に薄暗く、寂れた雰囲気が漂っている。
一見すると先程見た懐かしい田舎の原風景だが、そことは違うという事だけはハッキリと分かった。
何より雰囲気が全く違う。
如何にも、何か出そうな空気がする。
しかし、いつまでも突っ立っている訳にも行かない。
「よう」
屋根の上に居る所為で自然と見下ろす事となるが、一先ず下の広場に居る女の子へと声を掛けた。
体験版終り
コメント
コメントの投稿