翠星のガルガンティア ベローズ:催眠姦
覚醒した意識が最初に見たのは海。
余りにも突然の事に、半ば唖然としながら見回しても海、海水、地平線。
更に後ろへ視線を移せば、巨大な船が巨大な船団を組んで航行している。
混乱し過ぎて停止してしまった思考でも、この景色には見覚えがあった。
「……くっそーーー!!!!!」
「な、何だ!? どうした!?」
隣で心配する声が聞こえても、俺の絶望は止まらない。
まさか『翠星のガルガンティア』の世界に来てしまうとは!
どうせトリップするなら最終回まで待ってくれれば良いのに!!
未来の出来事を知っていると言う絶対的な優位性が無ければ、この世界は前世と同じ様に手探りで生きて行かなければならない。
「くぅ……」
「な、何があったのか分からねぇが、これをやるから元気を出せ。なっ?」
「うぐぐ……」
よくよく隣に居る男の声を聞いていると、聞き覚えのある声。
ふと顔を上げてみれば、少し乱れたリーゼント風の髪形をしたピニオンが心配そうにしていた。
しかも手には何やら変な箱が握られており、どうやら慰めの一つとして差し出したらしい。
「うっ……、済まん」
「おう!」
突然、叫んだ俺に対して男気溢れる笑顔に申し訳なさが湧いて来る。
「けど、何だよこれ?」
「知らん!」
「はっ?」
自分から差し出したので、てっきり何かの使い道があると思っていたが、返って来たのは自信満々な態度と簡潔な答え。
思わず聞き返せば、申し訳なさそうな表情になって弁明をしてきた。
「いやな、サルベージした物なんだが、何をどうしても開かないんだよ」
「へぇ、そうなのか」
「で、後でレドにもブリキ野郎にも聞いたが分からないって言われてな」
「それってゴミって言わないか?」
「ははははは!」
突然笑い出したピニオンは、シュタッと手を上げて走り去っていく。
「てめー、ピニオン! ゴミを押し付けんなぁ!」
「元気が出たんだから良いだろー! ハーハッハッ――」
遠ざかる声に呆れながらも、少しは感謝しても良いかとも思った。
確かに混乱した頭は平常に戻り、物を貰った事で興味はそっちに移る。
少なくとも、この先に対する不安は多少和らいだ。
「はぁ……、全く。って言うか、本当に何だよこれ」
掌程の大きさで所々に青い線が走る白い箱を、色んな角度から観察しても正体は分からない。
開きそうな切れ目すらなく、どの方向に力を入れても変形しなかった。
座り込んで途方に暮れていると、再び聞いた事のある声が聞こえてくる。
「ん? またピニオンに何か押し付けられたのか?」
「あぁ、ベローズか」
やって来たのは燃える様に赤く長い髪をポニーテールに上げたベローズ。
大きな胸を肩紐の付いたチューブトップに押し込め、下半身は涼しそうな短パンを履いている。
俺の手の中にある箱を見たベローズは、邪気の無い笑顔を浮かべていた。
「そうなんだよ。ゴミを押し付けられて」
「あいつは変な物をサルベージするのが上手いからなぁ」
「褒めてんの?」
「そんな訳無いだろ」
「そりゃそうか」
『俺』にとっては初対面でしかないが、この身体の持ち主とベローズは親しい関係を持っているらしい。
しかし、記憶を辿っても恋愛に発展する様な物は無く、単に気に許せる親友と言った所だろうか。
何にせよ、期待していた色気のある記憶は思い出せなかった。
座っていても仕方が無いので、立ってベローズと視線の高さを合わせる。
「箱っぽいんだけど、開かないんだよ」
「へぇ……」
そう言って箱を渡してみた。
受け取ったベローズは俺と同じ様に手の中でクルクルと回して観察した後、力を入れて押してみても何の変化も無い。
「駄目だね」
「やっぱりか」
アッサリと諦めて俺に返した瞬間に、上になっていた部分がパカッと開いた。
「えっ!?」
「うぉっ!?」
行き成りの出来事に驚くが変化は息つく暇も無く訪れ、箱の中から現れた線がベローズに向かって紫色の霧を噴射した。
「うっ!?」
「ベローズ!?」
反射的に顔を庇ったベローズだったが気体を避けられず、完全に頭が霧に包まれてしまう。
そして、数秒にも満たない短い時間に、上げられていた腕から突然力が抜けてダランと落ちた。
「……ベローズ? 大丈夫か?」
まさか貰った箱がベローズに危害を加えるとは思っていなかった俺は、慌てて声を掛ける。
少しの間を置いて返って来たのは、驚く程に平坦に無事を知らせる声。
「……あぁ、大丈夫」
「ベローズ?」
紫の霧がやっと晴れたと思ったら、中からは先程までハキハキとしていたベローズとは思えない感情が消えた顔。
箱から出た霧によって仲の良い女に危害を加えられ事を理解して、せめてもの報復として睨み付けた途端に音声が響いてきた。
『催眠状態への移行を完了しました』
「はっ?」
合成された音の言葉を聞いてベローズへ視線を移せば、その意味をハッキリと理解してしまう。
意志が見られない虚ろな目に、力が抜けて左右にフラフラと微妙に揺れる身体。
どう見ても異常な事態が降り掛かっている。
「大丈夫か……?」
「……あぁ、大丈夫」
もう一度問い掛けても、やはり淡々と答える。
「あっ、ヤバイ!」
ベローズを正気に戻さないといけないが、この状況を誰かに見られでもしたら犯人が俺だと思われてしまう。
あらぬ疑いを避ける為に、誰にも見られない物影に移動する必要があった。
「ベローズ、ちょっとこっちへ来い」
「……あぁ、分かった」
俺の指示を聞いて、不自然に力が抜けた動きで着いて来る。
何とか誰かに見られる前に、日が当たらず、寂れた商店街の様な場所に移動して人目を避けた。
「…………」
「…………」
一先ず安心出来る場所に来たが、眼に前には無防備な美人が催眠状態で立っている。
その身体のプロポーションは思わず唾液を飲み込む程に魅力的で、視線は大きく張り出している胸へと向かう。
確か箱の音声は催眠状態にしたと言っていた。
ならば、今ここで俺がベローズに何かしても、本人には知られないのではないか。
そんな考えが、無意識に持ち上げる腕の動きで示された。
「あっ!?」
「…………」
気が付いた時には既に巨乳を持ち上げてしまい、指を食い込ませていた。
俺は反射的に謝ろうと胸から顔へ視線を戻したが、ベローズの表情は先程と変わらずに一切感情が浮かんでいない。
本来ならすぐにでも手を離すべき状況でも、指に感じる魅惑の感触で張り付いたままになってしまっている。
ベローズが拒否の意志を示さないのを良い事に、徐々に手が大胆に胸を揉んでしまう。
手の中で形を変える巨乳を堪能しながらも、次の欲求を満たそうと言葉を放った。
「ベローズ、胸を見せてくれ」
「……あぁ、分かった」
無愛想とも思える無感情な声で承諾し、チューブトップの裾に手を掛ける。
自然と離す事になってしまった俺の手など気にもしないで、ベローズは服を持ち上げた。
大きさと柔らかさの所為で捲り上げられた布に胸が付いて行ったが、限界に達した瞬間、たぷんと幻聴が聞こえそうに波打って姿を現す。
普段外に出ている所為で日に焼けた肌とは違い、胸は白い。
心成しか大き目の乳輪も薄いピンク色で、可憐さの中に色気を感じた。
乳首は乳輪の大きさとはバランスが良く、今は小さく息衝いている。
「おぉ……」
「…………」
俺の感動する声を余所に服を持ち上げて脱ぎ進め、遂には上半身裸になってしまった。
抑え切れなかった反動で揺れる胸は乳首を頂点として、少し外側へ向かってツンと上に向いている。
大きさの割りに全く垂れておらず、普段からしている力仕事の所為で、鍛えられた胸筋を元にした綺麗な形を維持していた。
恐る恐る伸びていく掌が胸に触れた瞬間、肌が張り付いてくる。
温暖な気候で常に少し汗ばむ程度である為に、触ってみると、それこそ指紋の凹凸にさえ入り込むカの様な手触り。
ただ触れ、離すだけでも柔らかく揺れる光景を眼にしては、最早言葉を発する余裕が無くなり、眼の前にある胸を弄る事だけが思考を占領した。
指を動かせば柔らかさの中にある若さが弾力となって、抵抗してくる。
反発する僅かな感触でさえ、手には快感として送られた。
十分に揉み込んだ後に両手の人差し指と親指で左右の乳首を摘めば、胸を送られた刺激で変化した少し固めの感触。
それをくりくりと捏ねる様に動かしていく。
「んっ……」
幾ら催眠状態にあっても、性感帯の一つでもある乳首を集中的に刺激されては声が漏れ出てしまう様だ。
持続的に刺激して行けば、比較的すぐに硬さを増して反応を返してきた。
先程よりも摘み易くなった事にも興奮を覚え、弄りながら次の一手を考える。
「どうせ犯すなら、この胸を見ながらの方が楽しいだろうなぁ」
「…………」
自分の身体が汚される直前になってもベローズは、何の反応も無い。
前世よりの知識で洗脳状態にあり相手に、暗示を掛けるのが定石。
ここは一つ俺にとって都合の良い事を吹き込みたい。
「ベローズ、この後の予定は何かあるのか?」
「……いや、何も無い」
「そうか」
乳首を弄びながら念の為に予定を聞き、ここに居ても不都合が無いかを確かめた。
「ベローズ、お前は俺に相談をする為に来たんだ」
「……相談」
「そうだ。その内容はエイミーとレドに関する事」
「……エイミーとレド」
ベローズが俺に対して相談事を持ち込むとは思えないが、とにかく会話をする分かり易い話題が無いと先には進めない。
そして、一番大事な暗示を掛ける。
「相談事をする為には身体を捧げないと駄目だからな」
「……身体を捧げる」
「あぁ、でも、俺だけの決まりだから、他の奴に相談をする時は別に捧げなくても良いぞ」
「……他は捧げなくても良い」
「分かったな」
「……あぁ、分かった」
理屈にかなりの穴があり、ベローズにとっては理不尽極まりない暗示でも、謎の箱の効果は素晴らしく辻褄を合わせてくれる。
『後、10秒で催眠状態が解けます』
「おっ、もう終りか」
どうやって催眠状態から目覚めさせようかと思っていれば、再び箱から機械音声が聞こえてきた。
このまま待っていれば問題なく目覚めると知り、10秒の残り時間で追加の暗示も出来ないので大人しく待つ事にする。
『催眠状態が解けます』
「――ん」
虚ろだった眼に力が戻り、表情が戻った時を見計らってベローズに声を掛けた。
「で、相談事があるって?」
「……? あぁ! そうだ」
最初は何の事が分からない雰囲気で首を傾げたものの、すぐに暗示を思い出した様子。
神妙な顔になったと思えば、存在しなかった相談事を言ってくる。
「エイミーとレドの事なんだけどさ」
「うん」
「エイミーって、明らかにレドの事が気になってるよな?」
「あぁ……、確かにな」
原作は少ししか見ていないが、確か船団が分かれる時には涙を流していた筈。
何も気持ちを持っていなければ、悲しむ様な事は無い。
その事を考えれば、確かにエイミーはレドの事を気にしていると言える。
しかし、相談事は無かったと思っていたが、意外に具体的な物が出てきた。
返事を考えていると、ベローズは裸だった上半身を気にせず、下半身の短パンを何の躊躇も無く脱ぎ始める。
髪と同じく赤い色の陰毛を出し、日に焼けていない白い肌を俺の前に晒した。
少し焼けた茶色い肌とベローズが持つ本来の色のコントラストは、ただの全裸を見るより興奮の度合いが強い。
「何をしてるんだ?」
「ん? お前に相談事をするんだから、身体を捧げるのは当然だろう?」
「おぉ、そうだったな」
「おかしな奴だな」
余りにもあっけらかんとした態度に逆に戸惑ってしまうも、陰茎はシッカリと硬くなっていた。
靴すらも脱いで完全に全裸となったベローズが、床に敷いた服の上で仰向けになって俺を見てくる。
「さっ、準備は万端だから、相談に乗ってくれよ」
「あぁ、分かったよ」
相談には乗るがベローズにも乗る。
足を開いた所為で、股間にあった秘裂は膣口が僅かに見える程には開いていた。
胸に愛撫の様に揉まれた身体は、反射的に愛液の分泌も開始しており、不十分ではないと言える程度には濡れている。
包皮から少しだけ姿を現している淫核を見れば、興奮がイマイチであるとも分かった。
少量ながらも卑猥な光沢を見せる大陰唇を目の前に、急いでズボンを脱ぎ捨てると陰茎を取り出す。
「うわ、思ったより大きいな……」
興奮に力の増す陰茎を見たベローズは素直な感想を言ってくる。
「そ、そんなの入るかな?」
「まぁ、入れないと相談も出来ないんだけどな」
「うっ……、そ、そうだな」
処女のベローズにとって、始めて見た大きさに恐怖すらも抱いてしまう。
しかし、相談をすると言う建前上は、拒否する選択肢も無い。
そんな心境を理解しながらも、俺は仰向けに寝ているベローズに圧し掛かる。
女の本能で性器を守ろうと閉じかけた足を開き、腰を差し入れた。
最初に見た時よりも愛液の滑りは少なくが、頑張れば何とか行けそうでもある。
「ベローズ、ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してくれよ」
「あぁ、初めては痛いものだと聞いた事があるから、ある程度は覚悟してるよ」
「それなら大丈夫か」
そして、亀頭を大陰唇に接触させる。
「うっ!?」
性器に他人の体温を直接感じて身体が強張り、巨乳の下に置いてある手も握り締められた。
腰に力を込め、亀頭が大陰唇を分け入っていく。
「んぐぁ!?」
最低限しか濡れていない膣口を引っ張られたベローズは痛みを感じ、苦痛に声を漏らす。
しかし、目測通りに何とか入れられる程度には濡れているお陰で、徐々に陰茎は胎内へ姿を消していく。
強めの抵抗をする膣壁に愛液を塗りたくられながら、処女膜に接触した。
「行くぞ?」
「あぁ」
短い言葉を交わし、ブツリと言う感触と共に乙女の証を破り去る。
「んぎうぅ!!」
処女を奪われたベローズは、破瓜の痛みで今まで以上に顔を歪める。
もう少し愛撫をしても良かったかもしれないが、ここまで来てしまっては止める等出来ない。
痛みと圧迫感で全身が力んでしまっているベローズの身体は、膣壁すらも強く締め付けて陰茎に快感を送ってきた。
一段と狭くなっていた処女膜跡を過ぎれば、肉の壁となったヒダが鈴口を迎える。
滑りが少ない所為で亀頭に感じる刺激も強く、突っ張られる感じもあった。
「うっく……気持ち良い」
「わ、私は痛いけど……」
「あ、あぁ、済まん済まん」
「くふぅ……ぅっ……」
痛みを訴えてくる間にも陰茎を押し込む腰は力を入れ続け、行く手を阻んでいた膣壁を抉じ開けながら子宮口を目指す。
ベローズの生暖かい膣内を拡張しつつ、最後は鈴口か子宮口に到達した。
「うっ……あっ、やっと、相談事が、出来るな」
「あぁ、どんな相談でも乗るよ」
「うん、有難う」
足を開いて友人程度に思っている男の陰茎を受け入れ、笑顔で返してくる。
「そ、それで、エミリーは、どう見ても、うっ、レドの事が好きなんじゃないかなと思うんだ」
「あぁ、確かに気にはしている様だな」
「んぐっ!?」
相談を受けている所為で、エミリーを思い浮かべながら腰を動かしてしまう。
これではいけないと思い、なるべくベローズの顔を見つめながら言葉を交わしていく。
「うっ、そ、そんなに見つめられると、照れるじゃないか」
「まぁ、ベローズは美人だからな」
「なっ、ひぐっ、まぁ、有難うと、んっ、言っておくよ」
ベローズを褒めながら腰を動かして犯していく。
混乱しきりだった膣内は既に落ち着きを取り戻し、異物を拒否する動きで前後に動く陰茎に対抗している。
少なかった愛液が防衛本能によって量を増して、出し入れを繰り返す度に卑猥な光沢が追加された。
僅かに出ている破瓜の血も押し流され、下に敷いた服に染み込んだ。
腰を突き上げれば、白い巨乳が上下に揺れて眼も楽しませる。
乳首も尖りきっており、摘み易そうだった。
「んぅっ、そ、それで、ふっ、エイミー、ぃ、の事だけど――」
処女だった膣内を我が物顔で蹂躙していく陰茎の感覚を受け流しきれないベローズは、言葉の合間に息を挟む。
膣口から子宮口まで一直線に動く異物感と圧迫感。
更にはカリで削られる膣壁は弄ばれ、次第に快感へと変換してしまう。
「んふぁ、ん、ぜ、絶対、か、んぅ、価値観の違いでぇ、あぁ!」
押さえきれない快感は身体を駆け抜け、苦痛に歪んでいた顔が快楽によって惚けてきた。
犯されている秘裂からも、グチョグチョと愛液が掻き混ぜられる音が次第に大きくなっていく。
下半身へ視線を向ければ、隠れていた淫核は完全に姿を現して愛液の光沢で光る。
前後運動を続ける俺も、絶頂の波が近付いている事を察知して咄嗟に股間へ力を入れた。
「んぁ!」
快感に悶えるベローズが胎内で硬さを増した陰茎に、敏感な反応を返す。
ヒダを削るカリは張りを増した所為で敏感になり、ベローズの膣内も快感で小刻みに締め付けを繰り返して絶頂へ向かう。
完全に相談事をする余裕がなくなるも、最早二人とも気にしていない。
「うっ、くっ!」
「ひっ、はっ、あぁ!」
身を走る快感を、自分の身体を抱き締めて耐えるベローズ。
持ち上げられた巨乳が左右から押されても上下の反動は止められず、谷間には汗が流れ落ちた。
突き入れる腰も限界に近付き、本能のみの動きで最後の止めを放つ。
勢い良く子宮口を突き上げられたベローズは、溜まった絶頂を一気に開放させられた。
「んっ、くはあぁぁ!!」
「うくうぅ! 出るぞ!」
「っ!? ふあぁーー!」
絶頂で白くなった思考の中、膣内で跳ねながら精液を出していく陰茎と、強く締め付ける膣壁を辛うじて感じる。
射精を促された所為で早い段階で全てを出し切り、純潔だった子宮口が汚されてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ――」
「んっ、あふぁ……、はぁ……」
ビクビクと痙攣を繰り返していたヒダは陰茎の全てを舐め取り、精液を子宮口へ送る。
本能に従って蠢く膣内とは違って、ベローズの四肢は力無く床へと落ちた。
「あぁ……相談出来なかった」
白く染まっていた思考が回復して、心底残念そうに呟く。
「まぁ、このままでも出来なくはないんじゃないか?」
「まだ入ってるし、んっ、大丈夫かな」
「別に罰則がある訳でもないから大丈夫だろ」
どうせ、俺の身勝手な性欲を押し付けた結果の事なので、フォローがてらに相談事を促した。
そして、満足そうに惚けた表情のまま、表面上の目的であった相談を言ってくる。
「私はレドとの常識と言うか、価値観が違うから、このままだとエイミーが不幸になると思うんだよ」
全裸のままで未だに陰茎を膣内に咥え込みながら、深刻そうに自分の妹分でもあるエイミーを心配するベローズ。
「でもな、結局はエイミーとレドの間で解決するしかないだろう?」
「そうだけど……。どうせなら悲しんで欲しくないじゃないか」
「人生は色んな体験経験して、やっと大人に慣れるんだ。何でも事前に対策を打てば良いってものじゃないよ」
「…………」
一般的に言われそうな持論を唱えると、ベローズは眉を顰めて迷っている様な雰囲気を出している。
力の無くなった陰茎が膣内から締め出される頃には、自分の中で結論を出して身体を起こしてきた。
苦笑いをしつつも、何かに納得した感じもある。
「本当に相談のし甲斐が無い奴だな」
「済まんね」
「まぁ、私も話して少しは気も晴れたし、良いけど」
「そうかい」
正直、何が役に立ったかは分からないが、ベローズにはベローズの考え方があるだろう。
きっと、自分の中で納得させられるだけの理屈が通ったと思う他無い。
そんな考えをしている間にベローズは禄に股間を拭かず、床に置いてあった服を着てしまう。
「さて、そろそろ帰るよ」
「じゃぁ、俺も仕事が無い事だし、帰るか」
「途中まで一緒に行くか?」
「あぁ、何か奢るよ」
「そうこなくちゃ!」
持っていた知識通りに、気安い親友らしい会話をしながら帰路に付く。
『俺』は知らないが、道順なら身体が覚えている。
恋人にはならない雰囲気を感じながら、夕日が差し込む船の上で取り止めの無い会話を楽しむ。
何でもない事に幸せを感じ、改めて自分がこの世界の住人になってしまった実感が身を包んでいた。
未来を知らない所為で手探りの人生を送るだろうが、それもまた楽しめば良い。
少なくともピニオンから貰った『箱』があれば、性的には前世以上に充実した生活が送れる。
そんな確信を持って、ベローズと肩を並べて歩くのだった。
終り
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